本当に素敵な夫婦でした～
カーバー夫妻（モーガン・フリーマン＆ダイアン・キートン）が40年間住んだアパートはブルックリンにありました。
住み始めた当時は、この辺りは安い地区だったのですけど、今ではおしゃれな高級地に変わっています。
ただし、この部屋の問題点はエレベーターが無いこと。
最上階の5階に住んでいる彼らは、外出の度に5階まで階段を上がるしかありませんでしたが
高齢になってきていた夫婦、特に夫アレックスにはなかなか厳しい道のりになっていました。
そこで夫婦は特に妻ルースの希望でエレベーターのあるアパートへ引越す決心をしました。
話を聞いた不動産エージェントの姪・リリー（シンシア・ニクソン）は張り切ってオープン・ハウスの準備を始めます。
40年前とは違って今では100万ドルも狙えるアパートなのです。
広告の効果もあり、当日は多くの下見客がやって来ました。
でも、アレックスの心はずっと揺らいでいました。
それにしても、優しい気持ちになれる作品ですね～
アパートでの想い出を辿る中で、夫婦の歴史が描かれていきます。
若い画家アレックスとモデルのアルバイトだったルースとの出会い。
白人と黒人のカップルがまだ白い目で見られていた40年前の結婚。
そして、その後の日々の中で二人が体験した喜びや哀しみ。
全てをこのアパートの時間と共に流れていきました。
そんな二人の思い遣りと優しさの日々は観ていても穏やかな気持ちにさせてくれました。
また、部屋を売っていく仕組みが面白かったです。
この部屋は売り手市場なのでしょうか。価格は入札制度で決まっていきます。
ただし、買う人のほうにも色々な事情があるので、売り手の温情を貰うためには心のこもった手紙も必須です。
また、住む地域には安全が求められるので、テロのニュースも気になります。
そして、何と言っても売る側の気持ちも大切なのです。
アパートを誰に売るか、売ったらどこへ越すか、そもそも本当に売るのか、夫婦の心は揺れます。
大きな事件は起きないのですけど、二人の心の揺れと行動からは目が離せませんでした。
観終った時、こんな夫婦でいられたら、誰もが幸せになるだろうなとしみじみと思った1本です。
監督：リチャード・ロンクレイン 出演：モーガン・フリーマン ダイアン・キートン シンシア・ニクソン クレア・バン・ダー・ブーム コーリー・ジャクソン
2014年 アメリカ 原題：5 FLIGHTS UP
（20160202）
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