同じ高校生の青春でも、現代とは随分と違うなあと思いつつも物語に引き込まれていきました。
響子(成海璃子)が制服を脱ぎ捨てるシーンから始まる物語です。
1969年は全国的に学生運動が盛り上がり、仙台にも学生運動の大きな波は押し寄せていました。
女子高に通う響子はそんな時代の波に惹かれ、友人二人と制服廃止を訴える運動を始めます。
彼女たちが学校の教室に集まった他の生徒たちの前で制服を脱ぎながら演説すると、
生徒たちはみな拍手をして彼女たちを支持しました。
その日の帰り道のこと。生徒たちの反応にも気をよくしていた3人はバロック喫茶「無伴奏」に立ち寄ります。
そこは二人掛けの椅子が並ぶちょっと不思議な空間で、
店内を流れるクラシック音楽をみんなで静かに聴くような喫茶店でした。
彼女たちが入店して間も無く男2人と女1人の3人組が入ってきて、そのうちの男1人が響子の隣に座りました。
その日は、響子と男性は話しが噛み合わず、何となくぎこちない会話を交わして終わります。
でも数日後、一人で「無伴奏」に来ていた響子に声を掛けてきたのは、先日出会った男性たちの
大学生の堂本渉(池松壮亮)と友人の関祐之介(斎藤工)でした。
それにしても、全く話を知らずに観に行ったので、主人公の恋のゆくえにはびっくりでした。
そ、そんなことになるとは… う~ん、とても切なかったです(T_T) 彼女も彼も…
ただし、響子はこの恋を経て成長するのですよね。
映画を観終った後、何となく「セーラー服と機関銃」の歌の歌詞を思い出しました。
そして、何と言ってもキャストがぴったりでした~
上品でちょっと過激に背伸びをしている女子高生役の成海璃子さんはとてもキュートです。
彼女と運命的な恋に落ちる渉役の池松壮亮さんは、相変わらず難しい恋をしています。
そして、独特の雰囲気を醸し出している斎藤工さん演じる関祐之介は、まあ本当に妖しい役(笑)
この物語を映画にするには最高のキャストが集まっていました(^-^)
かなり切ない物語ですけど、最後に爽やかな余韻を感じるのはこれが青春物語だからかなと感じました。
観終った時、とても心に残る日本映画を観たなあと感じた1本です。
監督:矢崎仁司 出演:成海璃子 池松壮亮 斎藤工 遠藤新菜 藤田朋子 光石研
2015年 日本
(20160326)
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