スクリーンに引き付ける重力が凄かったです~
殺人事件で亡くなった人の脳から記憶を映像化して観ることが出来たら…という技術が実現した近未来の世界。
難事件解決に挑む警察庁の科学警察研究所法医第九研究室・通称“第九”では、
専門の捜査官たちが被害者や死刑囚の脳から記憶を分析して、事件の解決や検証に役立てていました。
その中でも連続殺人犯の貝沼(吉川晃司)の記憶はアンタッチャブルなものとなっていました。
観た捜査官たちが次々と精神を病んだり自殺に追い込まれたのです。
現在も研究室に残っているのは室長の薪剛(生田斗真)だけです。
彼は誰からも尊敬される能力を持っていましたけど、この事件で親友の鈴木(松坂桃李)を失ったトラウマに
実は今でも悩まされ続けていました。
そんな中、第九に自分の家族を惨殺して死刑を執行された露口(椎名桔平)が運び込まれて来ました。
彼は自白をして罪を認めた受刑者でしたが、事件検証のために彼の記憶を観た一同は驚きます。
実は家族を殺していたのは彼の娘・絹子(織田梨沙)で、露口は娘を庇うために罪を被っていたのです。
そして間も無く、記憶を無くして事件のことを覚えていない絹子が発見されました。
それにしても、役者もスタッフもみなさん頑張りましたね~と言いたくなるような作品でした。
中でも記憶のシーンはそれぞれよくぞ創り上げたという感じで、残酷さも異常さも悲しみも喜びも
すべてが死者たちの記憶に映し出されていきます。
特に、鈴木の記憶と絹子の事件を解決したとある記憶は、本当に切なくて泣かされました(T_T)
また、人の記憶映像はその人の視点から映されるものなので、そのリアリティを出すために
多くの役者たちの頭に主観カメラを付けて撮影されたそうです。
自分は出ていないけど、このシーンを映したのは自分だという役者さんも多いのでしょうね。
映し出されたキャストの向かい側に誰が居るのか考えながら観るのも面白かったです。
ただし、原作を読んでいると色々突っ込みどころもあり… 私としては薪さんのよき相棒となる
青木さん(岡田将生)の性格はもう少し愛想良くして欲しかったなと思うのですけど、まあそれはそれで…
それよりも、この作品はPG12ですが、かなりキツイ映像も多いので弱い人は要注意です。
私は貝沼も絹子もどういう人なのか分かっていたので覚悟の上で観ましたけど、劇場を出る時に
女子高生二人組が「怖かったね」と言いながら歩いているのを見て、うん怖いよねと肯いてしまいました^_^;
でもまあ、何と言っても監督さんの熱意と俳優陣のパワーと映像の圧力は凄かったです。
観終った時、面白かったけどエネルギーを吸い取られたな~とちょっと感じた1本です。
監督:大友啓史 出演:生田斗真 岡田将生 吉川晃司 松坂桃李 栗山千明 織田梨沙 椎名桔平 大倉孝二 木南晴夏 平山祐介 大森南朋
2016年 日本
(20160622)
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公式サイトはこちらへ http://himitsu-movie.jp/追伸
この映画は完成披露試写会で観ました。公開は8月6日以降の予定です。