東京国際映画祭で上映された時のタイトルは『地雷と少年兵』でした。
デンマークの海岸には、ドイツ軍による地雷が2百万個ほども残されたままになっていました。
その除去にドイツ軍に属していた少年兵の捕虜たちが借り出されることになりました。
ほとんど闘ったことが無いような幼い10代の少年たちが命を掛けて砂浜を掘り起こしていくのです。
幼くても彼らはデンマークの人々にとって憎しみの対象です。
市民にとっても、ドイツ軍と戦ったデンマーク兵たちにとっても、同情など与える余地はありません。
少年たちはろくな食料を与えられずにお腹を空かし、
夜は小さな小屋に入れられて、外から鍵を掛けられる日々を送ります。
少年たちを監督するのはラスムッセン軍曹(ローラン・モラー)で、彼も戦争で多くの死と出会っていました。
当然、少年たちへも憎しみを込めて厳しくあたります。
それでも、少年たちは家へ帰ったら何をしたいかと夢を語りながら未来への希望を持ち続けていました。
そしてとうとう、空腹と疲労の中でひとりの少年が地雷解除に失敗してしまいました(T_T)
それにしても、厳しい歴史を伝えてくれる作品でした。
地雷により死者が出てしまいますし、死の恐怖に精神が病んでいく少年もいます。
戦争がいかに残酷か、未来を潰していくかを改めて思い知らされた気がしました。
この映画の救いは、とても頑固そうで厳しかった監督官の軍曹と少年たちが少しずつ心を通わせるところです。
どんなに憎しみが強くても、いつかは赦しあえるという気がしてちょっとほっとしました。
そして、少年たちと出会ったことは、きっと軍曹の人生を救ったと感じました。
観た時も忘れられない作品になったと感じましたけど、1年以上過ぎてもやっぱり思い出せるなと感じました。
せめて、こんな少年たちの歴史があったことを知ることが出来て良かったと思った1本です。
監督:マーチン・ピータ・サンフリト 出演:ローラン・モラー ミケル・ボー・フォロスゴー ルイス・ホフマン
2015年 デンマーク/ドイツ 原題:UNDER SANDET/LAND OF MINE
(20151023)
→
公式サイトはこちらへ http://hitler-wasuremono.jp/