モード(キャリー・マリガン)はこの町の労働階級の女性と同様に朝から晩まで洗濯工場で働いています。
夫のサニー(ベン・ウィショー)も同じ工場で働いていて、幼い息子は近所に預かってもらっています。
亡くなった母も同じような人生を送っていて、それが当たり前と思っていました。
参政権運動に参加している同僚から誘われて、軽い気持ちで集会に出かけたモードは
もし女性に参政権が与えられたら、何かが変わるのではないかと思い始めます。
また後日、女性参政権を考えるための公聴会で自分の状況を話す機会を得た彼女は
精一杯語った自分の意見が政府へ届かないという悔しさを知ります。
そして徐々に、運動へ積極的に参加し始めていきました。
それにしても、痛々しくて切なかったです。
言葉で主張しても世界へは届かないと、行動で主張するようになった女性たち。
デモやハンガーストライキだけでなく、投石でガラスを割ったり、爆弾でポストを爆破したりと
かなり過激になって行きます。
当然、警察には目を付けられてしまうにしても、集会へ行っただけで殴られて捕まるなんて
それが法律とは言え、いくらなんでも酷いと思ってしまいました(T_T)
そんな状況を必死に変えようとするモードの姿には胸が痛くなりました。
7歳でパートを始めて12歳で社員になり、24歳の今はそんな人生で終わると思っていたモード。
彼女は何となく運動へ参加して未来を変える夢を見たために、家も家族も仕事も失います。
妻が警察から目を付けられたことを恥じた夫から家を追い出されてしまったのです。
自分から子供が奪われるような法律が正しいという状況を変えたいと願った彼女のまっすぐな心は
職務上は彼女を取り締まる立場のスティード警部(ブレンダン・グリーソン)の心も揺らします。
でも、モードも警部も止められないまま、悲劇的な事件が起きてしまったのがとても辛かったです。
そして、象徴的な犠牲を出さないと動かなかった現実が悲しかったです(T_T)
観終った時、例え白紙でも選挙には行くようにという言葉を聴いたことを思い出したのと同時に
これからは選挙の度にこの映画を思い出すだろうなと感じた1本です。
監督:セーラ・ガヴロン 出演:キャリー・マリガン ヘレナ・ボナム・カーター ブレンダン・グリーソン アンヌ=マリー・ダフ ベン・ウィショー メリル・ストリープ
2015年 イギリス 原題:SUFFRAGETTE
(20170129)
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