ＭＥＲＵ メルー

ヒマラヤ山脈のメルー中央峰にある難攻不落のルートに挑む登山家たちの姿を映し出したドキュメンタリーです。
何故かTOHOシネマズ川崎で1週間だけ上映されると知って、チャレンジしてみようかなと思いました。
過去の事故や友人の死、復帰が危ぶまれるほどの大ケガなど様々な困難を乗り越えて頂上を目指す様子に
何も言える言葉など無いくらい圧倒されてしまうような作品でした。

登山家が山を目指す気持ちは、あまりにも強くて揺るがないものでした。

インタビューと当時の映像で主人公たちの気持ちに近付いていくドキュメンタリーです。
コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズタークの3人は2011年にメルー中央峰にある
“シャークスフィン”の登頂に成功しました。

彼らは長い年月を掛けて難攻不落の頂上を目指し、厳しい登山へチャレンジしていました。
中心的存在のコンラッド・アンカーは過去に2回チャレンジして失敗しています。
特に2回目は現メンバーで後もう少しのところまで行ったのに断念することになったので、
落胆も大きく、もう諦めようとさえ考えていました。

2011年の3度目のチャレンジを行なうまでに、メンバーは雪崩で九死に一生の目に遭っています。
さらにレナン・オズタークにいたっては山岳事故で頭蓋骨と頚椎を骨折する重傷を負ってしまいます。
それでも、レナンはシャークスフィンへの挑戦を成功させることを心の支えにしてリハビリをし、
再び山を目指せるまでに回復します。
そして、その想いに答えるように、強い決心でコンラッドとジミーも山へと向かいました。

それにしても、映し出される映像の凄さが半端無いです。
映画は垂直の崖にぶら下がるように付けられたテントの中で嵐の夜をやり過ごすシーンから始まります。
私だったら心配で眠れないこと間違いなしですけど、疲れきっている彼らにはそこが唯一の居場所でした。

なぜ、そんなところに彼らはいるのだろう。
その疑問に答えるように、そこまでの彼らが挑んだ軌跡が映し出されていきます。
カメラを携えながら登山をしている彼らだからこその映像は、どれほどの困難な道程かを伝えてくれます。
そして、ラストにスクリーンに広がる美しい世界を観た時、
この映画を大きなスクリーンで観ることが出来て良かったと感じました。

観終った時、彼らは本当に歩けなくなっても、山を夢見ることは止めないのだろうなと考えてしまった1本です。



監督：ジミー・チン　エリザベス・チャイ・バサヒリィ　出演：コンラッド・アンカー　ジミー・チン　レナン・オズターク　ジョン・クラカワー　ジェニー・ロウ・アンカー　ジェレミー・ジョーンズ
2015年　アメリカ　原題：ＭＥＲＵ
（20170321）

→公式サイトはこちらへ　http://meru-movie.jp/