怪物はささやく

パトリック・ネス著の同名小説を映画化したファンタジーです。
予告編を観て、一体何が起きていくのか知りたい！と思っていました。
美しい映像と共に描かれていく少年の心理を、奥深くまで体験できるような作品でした。

コナー（ルイス・マクドゥーガル）は毎日のように0時8分になると悪夢を観ていました。
地割れが起き、落ちそうになる母（フェリシティ・ジョーンズ）の手を離さないように必死で頑張っている夢です。
現実でもコナーの母は末期ガンに侵されていて、余命幾ばくも無い状況でした。

学校ではいじめられ、夜は悪夢にうなされて眠れず、コナーはいつも疲れた顔をしていました。
学校の先生は心配して声を掛けてくれますけど、コナーは毎日人目のつかない場所で殴られています。
家では母の入院のために、気の合わない祖母（シガニー・ウィーバー）と暮らしています。
学校にも家にもコナーの幸せを感じられるような場所はありません。
もう、彼の救いは、夢で会う怪物に頼るしかありませんでした。

それにしても、映像の美しい作品でした。
中でも怪物の存在感とリアルさには圧倒されます。
また、その怪物の語る物語と共に流れるアニメーションも美しくて、
ベッドタイムストーリーを聞いているようにうっとりとしながらスクリーンを見つめていました。
（あ、でもその後すぐに悪夢へと続いてしまうのですけど(-_-;)）

あと、主役を演じたルイス・マクドゥーガルの表情のインパクトが凄かったです～
コナーがどれだけ辛い想いに耐えているのかを、余すことなく伝えてくれます。
少年の演技を観て、本当に天才子役っているのだなあと思ってしまいました(^^ゞ

最初からコナーがかなり辛そうだったので、観ている方も辛くなってしまいましたけど、
心が解放される展開に、思わず少年と一緒に泣けてしまいました。
そして、彼が家族の愛に包まれていると実感した時、本当にほっとしました。
観終った時、やっぱり原作もしっかりと読んでみたいなあと思った1本です。



監督：J・A・バヨナ　出演：ルイス・マクドゥーガル　フェリシティ・ジョーンズ　シガニー・ウィーバー　トビー・ケベル　リーアム・ニーソン
2016年　アメリカ/スペイン　原題：A MONSTER CALLS
（20170628）

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