ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

ある青年の半生を綴ってベストセラーになったノンフィクションを映画化したドラマです。
予告編を観て、どんな物語だろうかと気になっていました。
懸命に人生を取り戻そうとする青年と彼の支えになっていく猫の姿にすっかり魅せられてしまいました。

ストリートミュージシャンのジェームズ（ルーク・トレッダウェイ）は、住む家もお金も無くて
その日をやっと生きているような生活を送っています。
しかも、ティーンの頃に始めたドラッグから抜けられず、
カウンセリングに通って今度こそドラッグを止めると誓いながらも、その度に失敗していました(-_-)

担当カウンセラーのヴァル（ジョアンヌ・フロガット）は親身になって彼に向き合い、
苦労して薬物治療をしている彼のために福祉局へ依頼してアパートを見つけてあげます。
彼女はこのアパートからの生活が、ジェームズにとっては最後のチャンスになると感じていました。

アパートを紹介されてジェームズが喜びながら熱いシャワーを浴びていた時、
誰も居ないはずの室内から物音が聞こえて来ました。
警戒しながら応戦ための靴を片手に部屋を覗くと、キッチンに茶トラの猫が入り込んでいて、
ジェームズの食料を食べています。
猫好きの彼はミルクを与えつつ優しく諭して家へ帰そうとしますけど猫は出て行かず、
彼の眠っているベッドに登ると一緒に眠りにつきました。

それにしても、この茶トラのボブは最高に素敵な猫ですね～
人生のどん底にいたジェームズの人生を大きく変えていくのです。
家は無く、路上で歌を歌うだけでは食費も稼げず、居場所が無い孤独な生活にいたジェームズ。
そんな彼が様々な人の助けと、猫のボブという相棒を得たことをきっかけに立ち直っていきました。

嘘のようなサクセスストーリーでお伽噺のような物語。でも、実話なのでリアリティがあります。
特にドラッグから抜け出すために薬を絶ち、激しい中毒症状にのた打ち回る姿は観ていて辛いです。
でも、大人しくじっとジェームズを見つめているボブの存在は、青年を強く支えていきます。
ボブがジェームズと一緒にいる姿を観ていると、この茶トラの猫が人々に愛されるのも分かるなあと感じました。

エンドロールの写真も可愛かったです。
観終わった後、映画のボブは実際のボブが演じていたと知ってびっくりした１本です。



監督：ロジャー・スポティスウッド　出演：ルーク・トレッダウェイ　ルタ・ゲドミンタス　ジョアンヌ・フロガット　アンソニー・ヘッド　キャロライン・グッドオール　ダレン・エバンス
2016年　イギリス　原題：A STREET CAT NAMED BOB
（20170828）

→公式サイトはこちらへ　http://bobthecat.jp/