検事として働き始めた沖野(二宮和也)は、数年後に新人研修で講師を務めた最上(木村拓哉)と再会します。
実績を兼ね備えたエリート検事の最上を尊敬する沖野は、一緒に働けることを喜んでいました。
しかし、ある老夫婦の殺人事件を追っていくうちに、沖野は最上の方針に違和感を抱き始めます。
疑わしい男は他にも考えられるのに、松倉(酒向芳)という男に執着し始めた気がしたのです。
さり気無さを装いながらも捜査を松倉へ向けようとする最上に、沖野は疑問を投げかけます。
実は松倉には、時効になった少女殺人事件の最有力容疑者だったのに
決め手が無く逮捕できなかったという過去があったのです。
しかし、松倉を取り調べている最中、別の男が犯人だという重要な目撃情報が出て来ました…
それにしても、やっぱり深く考えさせられる作品でした。
この物語には裁判のシーンはありません。でも、なぜか人を裁くことの難しさを感じるような作品でした。
物語の中では警察も検察も罪人を裁くための材料を捜す人たちという印象が残ります。
特に、犯人が絞られてくると犯人への道筋を決めて証拠集めをしていく感じがあるので、
本当にそれが正しくなかったら…という不安は無いのだろうかと考えてしまいました。
今年は『孤狼の血』などの一筋縄では行かない警察官が主人公の作品も観ているので、
自分にとっては許せない罪を過去に犯した悪人を破滅へ向かわせようとする思考回路も分かる気はします。
でも、本当の意味で正義を失ってしまうと、二度とは戻れなくなってしまう気がするのです。
そして、その正義の狭間で苦しむ主人公たちの姿が強く心に残りました。
長めの小説だったので、2時間の映画にするとかなり駆け足なところもありましたけど、
豪華な俳優陣の演技に魅せられました。
観終った時、う~んと考えさせられたのと同時に、すぐにもう一度原作を読みたくなった1本です。
監督:原田眞人 出演:木村拓哉 二宮和也 吉高由里子 松重豊 平岳大 大倉孝二 酒向芳 八嶋智人 谷田歩 芦名星 山崎努
2018年 日本
→
公式サイトはこちらへ http://kensatsugawa-movie.jp/追伸
この映画や試写会で観ました。公開は8月24日以降の予定です。