コミック原作の青春物語です。高校生たちの走る姿がとてもきれいでした。

東京に住む高校生の篠宮奈緒子(上野樹里)は陸上部に所属している。
しかし、子供の頃は喘息が重かったため、笑顔が少なくどこか暗さを持った子供だった。
彼女は12歳の時、長崎県波切島へ療養に来ていた際に、両親と一緒に釣り船に乗っていた。
船上から島を眺めると、風のように走る少年・雄介がいた。
その少年の姿の眩しさに見つめ続けることが出来ず、目を伏せてしまった奈緒子だったが
その後、謝って釣り船から海へ落ちてしまう。
溺れかけた奈緒子は無事に助けられたが、彼女を助けてくれた島民が亡くなってしまった。
その島民は、先ほど走っていた雄介の父だった…

走ることの純粋さが画面から迫ってくるようでした(^^)

毎年、元旦からニューイヤー駅伝、箱根駅伝と楽しみにしています。
何で面白いのか自分でも判らないのですけど、やっぱりドキドキしながら見続けてしまうのですよね。
主人公の奈緒子は6年後に雄介(三浦春馬)と再会します。
再会しても心は打ち解けることは無く、6年前と同じようにお互いが痛みを抱えている状態です。
彼女は成長してランナーになった雄介を応援しながら見つめることしか出来ません。
台詞も少なく、だた静かに見つめ続ける彼女の心の揺らぎが痛々しかったです。

高校生の彼らにも様々な心の葛藤や悩みがあります。
先輩としてのプライド。才能ある者への妬みや自分自身への自信の無さ。
そして、雄介と奈緒子の間には父の死という重い事実もあります。
でも、彼らは走ろうとします。
なぜ走るのだろう?と自問自答しながら、それでも力の限りを尽くして走ろうとします。
そんな彼らの姿は本当に眩しかったです。
そして、バラバラになっていた心はたすきに想いを乗せて、次第に一つになっていきました。

それにしても、役者さんたちはよく走ってました~
合宿をして走りこんだらしいですけど、真夏の暑い長崎でよく頑張ったものです。
きれいなフォームと共に、足音や息遣いまでもが音楽のように心に響いてきました。

余計な飾りの無い潔さに、観ている方もすっきりした気持ちになった1本です。

監督:古厩智之 出演:上野樹里 三浦春馬 笑福亭鶴瓶
2008年製作 日本
(080128)

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月16日以降の予定です。