今週は疲れたなあ。何か映画を観たいなあ。雨も降ってきたし、映画館へ行こうかな。
そんな夜にぴったりの作品でした(^^)

冬のN.Y.。
恋人を探しに彼のアパートの向かいにあるカフェへとやって来たエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は
前日、彼が他の女性と食事をしていたことを知る。
彼の心変わりに気付いて悲しみに駆られたエリザベスは、
彼に渡して欲しいと部屋の合鍵をカフェのオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)へ預けて去った。
そのカフェにはそんな鍵たちの入ったビンが置いてあった。
彼が鍵を取りに来たか気になったエリザベスが再びカフェを覗いてみると、鍵はまだ残されたままだった。
そんな彼女の様子を観ていたジェレミーは、彼女のことが気になり始めていた…

ウォン・カーウァイ監督がノラ・ジョーンズを主演に迎えて作り上げた作品です。
主人公の気取らない雰囲気に加えて映像も音楽も優しくて、とても居心地良い物語でした。

失恋した自分のままではいたくないと自分を変える旅に出たエリザベス。
去った恋人に想いを残したまま、ずっと同じカフェを営業しているジェレミー。
そしてエリザベスが旅先で出会った人々は皆、満たされない想いを抱えて生きています。

エリザベスはいろいろな出会いの中で、少しずつ自分を取り戻していきます。
また彼女と出会うことで人々も何かを取り戻していきます。
エリザベスはそれぞれの人に対しては決して積極的にではなく受身で動いているのですけど
彼女と向かい合っていると素直な自分と向き合えるような、そんな雰囲気を持っているのです。
彼女が人々にそんな素直さを感じさせてきた旅の終わりには、
彼女自身も人と関わってこそ自分のことが理解できたと実感します。
そして明るい笑顔でN.Y.へ向かって行きました。

全体を覆う優しい雰囲気とエリザベスの素直な可愛さにすっかり癒された気持ちになった1本です。



監督:ウォン・カーウァイ 出演:ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ デヴィッド・ストラザーン レイチェル・ワイズ ナタリー・ポートマン
2007年製作 フランス/香港 原題:MY BLUEBERRY NIGHTS
(20080328)