海上保安庁に勤める西村(堺雅人)に突然南極への単身赴任が言い渡された。
実は南極行きを熱望していた候補者が急な怪我で行けなくなってしまったのだ。
小学生の娘と幼児の息子との4人家族だった西村は家族と離れるなんて…と思ったが、
地球儀を前にした妻と娘は単身赴任先の大笑いしながら寂しさなどどこ吹く風のよう。
結局、西村は南極まで料理担当として赴任することになった。
行き先は南極の基地と言っても有名な昭和基地ではなくてドームふじ基地。
南極の奥地に位置するこの基地は標高3800m、平均気温マイナス40℃以下という厳しい環境にある。
こんな場所にはペンギンやアザラシなど居らず、ウィルスさえ生きられない。
そんな中、西村は缶詰か冷凍&乾燥食品を使って、
毎日3食、8人分を欠かさずに作らなくてはならなかった…
8人の男たちが送る日々は厳しい中にも妙に可笑しいところがあって、いっぱい笑わされました(^^ゞ
南極の奥地にあるドームふじ基地に集まっている人は様々です。
雪氷学者、気象学者、大気学者などの研究者たちだけかと思っていたら
実は方々から集まっていました。
西村は海上保安庁から来た料理担当。
他に企業から来た車両担当や通信担当、そして病院から来た医者もいます。
学者+生活を支える人のチームがこの8人なのです。
全体的にゆる~い雰囲気で流れていく物語です。
そして、主人公の西村だけでなく、8人それぞれのエピソードが盛り込まれています。
凄いクライマックスがあるわけではありません。でも日々が可笑しいのです。
8人の男たちが、時間が経つに連れてむさくなっていって、どんどん変になっていきます(笑)
外に何も無いこの基地では娯楽も作り出すしか無いし、たまには仕事をサボりたくもなります。
また、家族や恋人と離れていることの不安も出てきます。
そんなちょっと哀しいエピソードさえも、ニヤッとさせられます。
次はどんなエピソードが出てくるのだろうと、わくわくしながら観ていました。
そんな中でも食事のエピソードは微笑ましいものばかりです。
…いや、時には不気味なエピソードもありましたけど(笑)、
それも1年以上を閉じ込められた環境で暮らす彼らだからこその出来事ですね。
料理のバラエティは豊富です。
おにぎり、ラーメン、鳥のから揚げなど庶民的な食事から、
中華やビフテキ、豪華なコース料理まで、様々な料理が次々と出てくるのには驚きでした。
そして、みんな美味しそうでした~
エンドロールも含めて最後まで楽しませてくれる映像に、
サービス精神旺盛だなあとまた笑ってしまった1本です。
監督:沖田修一 出演:堺雅人 生瀬勝久 きたろう 高良健吾 豊原功補 古舘寛治 小浜正寛 西田尚美
2009年 日本
(20090731)
追伸
この映画は試写会で観ました。先行上映は8月8日より、全国上映は8月22日以降の予定です。