下井草祐太(阿部サダヲ)は下町の商店街で“山ちゃん”と呼ばれている人気者。
名物のハムカツを売っているデリカ山ちゃんの二代目だ。
実は彼は幼い頃に父に捨てられ、父の友人であった初代山ちゃん(カンニング竹山)に育てられていた。
初代山ちゃんは甲斐性のない浮気者の父が母と別れて家を出た時に助けてくれた恩人だ。
だが、父はその恩を仇で返すように店の金を盗み、小学生だった祐太を捨てて姿をくらました。
その後、働き者だった祐太は本当に小まめに店を手伝い、
心優しい初代山ちゃんは祐太を本当の子供のように可愛がった。
祐太は跡目を継ぎ、その山ちゃんも亡くなった後も秘伝のソースを守りながら店を続けて来た。
そんなある日、何年も音信普通だった一人娘・徹子(竹内結子)が突然帰宅してきた…
ハイテンションのコメディかと思っていたら、意外にハートフルな展開でほろりとさせられました(^^ゞ
小学生の時にダメ親父に連れられて、身重の母と離れ離れになった祐太。
その後、父に捨てられ、母とお腹の中にいた兄弟とも会うことは無いままに生きて来ました。
幸い育ててくれた人が本当に良い人だったおかげで、今は住む場所も働く場所もあります。
近所の人々に好かれて人気者にもなっています。
いつも笑顔を絶やさない祐太。
でも、彼にはどこか自分がよそ者という意識を消すことが出来ません。
そして、そんな彼の心の闇は幼い頃から彼を好きだった徹子にも、
胎児の時に別れたきりだった弟・祐介(瑛太)にも、次第に伝わっていきました。
それにしても、阿部サダヲさんの存在感は圧倒的ですね~
あのテンションのお芝居を違和感無くすんなりと見せてくれるなんて凄いなあと思ってしまいました。
徹子を演じた竹内結子さんも、ビシッとした啖呵が豪快でカッコ良かったです。
また、弟・祐介を演じた瑛太さんや、
祐介のお笑いコンビの相方・金城大介役の塚本高史さんとのコントも
本当のお笑いトークのように笑えて楽しかったです。
でも、何と言ってもダメ親父を演じた伊原剛志さんのダメっぷりは
阿部サダヲさんの存在感と肩を並べるくらい凄かったです~
最近、観る作品が人の心を温かくするコメディ作品が続いて楽しかったです。
秋も深まってくると、こういう物語が恋しくなってくるのよね~としみじみ感じた1本です(^^)
監督:水田伸生 出演:阿部サダヲ 瑛太 竹内結子 塚本高史 いしだあゆみ 伊原剛志
2009年 日本
(20091114)