18世紀のパリの片隅で自分の劇団を立ち上げていたモリエールは
借金の返済を求める債権者に訴えられてしまう。
投獄されたモリエールに現れたのは裕福な商人ジュルダンの代理人だった。
代理人に連れられてジュルダンと面接したモリエールは、借金の肩代わりにジュルダンが憧れる
若き未亡人であるセリメーヌ公爵夫人(リュディヴィーヌ・サニエ)との恋の手伝いをすることになる。
ジュルダン夫人や子供たちには内緒のため、牧師に化けて家へ入り込んだモリエールだったが、
ジュルダンの目が離れた隙に屋敷から逃げだそうとし、猟犬に追われて失敗に終わる。
そしてその夜、再び窓から逃げ出そうとしたモリエールは、
窓の外から見えたジュルダン夫人の美しさに心を奪われてしまった…
モリエールを演じるロマン・デュリスの才気あふれる姿がカッコ良かったです~
モリエールの伝記で空白の数ヶ月と言われている時期に焦点を置いて創り上げたフィクションです。
私はこの映画でモリエールという人を知ったのですけど、
ヨーロッパではとても有名でシェークスピアの匹敵するほどの劇作家だそうです。
この作品の中には彼の創作劇の台詞が散りばめられていて、
分かる人にはもっと面白いのだろうなあと感じる作品でした。
モリエールは真面目な演劇をしたいと主張するも、誰もが喜劇役者としての才能を彼に見出します。
巧みな演技と機転で人をあっという間に笑いの渦に巻き込む彼の演技に、
身分の高い者も低い者も、誰もが楽しそうな笑顔を見せます。
そんなモリエールがジュルダン夫人の前で披露した物まねオンパレードは
彼が卓越した演技力の持ち主であると共に、この後、喜劇作家へ歩ませる機転となります。
そして、彼はこの時の言葉を胸に、これからの演劇人生を歩んでいきました。
それにしても、モリエールを演じたロマン・デュリスは演技力がある人ですね~
演技力のある舞台役者のモリエールをすっかり自分のものにして演じていました。
きっと彼でなかったらこんなにも楽しい作品にならなかったかもと思ってしまいました。
またとても騙されやすいお人好しの商人ジュルダン役のファブリス・ルキーニや
彼を言葉巧みに騙していくドラント伯爵役のエドゥアール・ベールもぴったりです。
そして何と言ってもモリエールと恋に落ちるジョルダン夫人を演じたラウラ・モランテの落ち着いた美しさと
ジュルダン氏が片思いしている公爵夫人を演じたリュディヴィーヌ・サニエの華やかな美しさも素敵でした。
観終った時、最近、様々な時代を描くフランス作品を観ていますけど、
やっぱりこの時代のフランスは華やかだなあとニッコリした1本です。
監督:ローラン・ティラール 出演:ロマン・デュリス ファブリス・ルキーニ ラウラ・モランテ エドゥアール・ベール リュディヴィーヌ・サニエ
2007年 フランス 原題:MOLIERE
(20100416)
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