人間の社会の中で様々な姿を見せる猫たちを映し出したドキュメンタリーです。
どんな猫たちが登場するのかなあと気になっていました。
猫たちと共に登場する人間の姿にいろいろ考えさせられる作品でした。
ある日、パリのアパートから猫のクロが行方不明になった。
飼い主の女性が探していると、鏡の奥の不思議な世界へ入ったように見える。
思わず彼女がついて行くと、そこは芸術が栄えたアール・ヌーヴォーの時代だった。
そこでは猫は自由の象徴とされ、様々なモチーフに使われていた。
だが、時代と国が変わると、猫はまた違う顔を見せ始めた…
身近な動物・猫を通していろいろな社会の姿が見えて来ました。
猫を捉えたドキュメンタリーです。
でも、出だしは軽やかな絵で描かれたアニメーションで、一気にフランスの雰囲気に浸かれます。
猫と共にアール・ヌーヴォーの時代に入った女性はそこで夏目漱石と会話をし、
そして何故か数十年前の日本へ飛んできます。
そこでまず登場したのが水俣病です。
水俣病で犠牲になった猫たちの話を絡めながら、
水俣病がどのように発生し現状はどうなのかを詳しく伝えています。
正直、一気に水俣病のことに移ったのでびっくりしたのですけど、
ただの猫の話ではないなあと実感させられました。
その後、日本のローカル線駅長ネコや海外で活躍する猫たちが登場します。
それぞれの猫は人と関わりあいながら、その存在感を示しています。
人と猫の強い絆がじんわりと伝わってきました。
そして猫たちの存在に癒されるのも分かるなあと感じました(^^)
それにしても、改めて指摘されると、飾り立てられて大人しくさせられている猫って
何だか猫らしくないですね。
それは犬に関しても似たようなものかもしれませんけれど、特に猫は自由気ままな印象があるだけに
ぬいぐるみのような可愛さを求められるのは、やっぱり違うかもと感じました。
そして、庭先や裏道を自由に歩き回っている猫はカッコいいなあと改めて感じました。
観終った時、猫に似合うのは“カッコいい”なのねと思いつつ、
パンフレットの写真を見て、つい“可愛い”とニッコリしてしまった1本です(^^ゞ
監督:ミリアム・トネロット
2009年 フランス 原題:LA VOIE DU CHAT/THE CAT WAY
(20100907)
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