12歳のオーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は大人しくて色白な男の子。
いつも、いじめっ子に目を付けられては苦痛の学校生活を送っていた。
でも、友達はいないし、別居してオーウェンを育てている母はオスカーの気持ちを理解する余裕が無い。
彼に出来ることと言えば、誰も居ない団地の中庭でいじめっ子にやり返している一人芝居をして、
うっぷんを晴らすくらいだった。
ある夜、父娘らしい二人組が隣の部屋へ引っ越して来た。
翌日の夜、オーウェンが一人で中庭に居ると、その少女(クロエ・グレース・モレッツ)が近付いてきた。
同い歳くらいに見える少女はオーウェンにとってはとても気になる存在だ。
しかし、いきなり彼女は「友達にはなれない」とオーウェンに言い放った…
やっぱり怖くて切なかったです(T_T)
12歳の少年オーウェンと永遠の12歳である少女アビーとの心の交流を描いた作品です。
物語の展開は『ぼくのエリ』とほぼ同じ。
どちらかと言えば、静けさや町の寂れ具合、そして冷たい空気から受ける印象は
スウェーデン版の方がぴったりだったかもと思いました。
(アメリカが舞台だと、どうしても広くてすっきりした雰囲気に見えてしまいます(^^ゞ)
リメイク版の見所はやっぱり主演の二人ですね~
この二人が本当にぴったりの可愛さで、そして上手いです(^^)
苛められて泣き叫ぶオーウェン。
俯き加減でおずおずとしながらも媚びるような笑顔を見せるアビー。
そんな二人は運命に導かれるように惹かれていきました。
ただ、改めてこのストーリーを観て行くと、オーウェンにとっては本当に怖い物語です。
アビーの父親代わりの男(リチャード・ジェンキンス)がアビーにキツイ口調で
オーウェンに近付くなと言っていたのは嫉妬だと思っていたのですけど、
今回観ていたら、もしかしたら自分のような男を作り出したくなかったのかと思い直しました。
その男を演じたリチャード・ジェンキンスがまたそういうくたびれた人にぴったりなので、
アビーとの暮らしはそれくらいハードなのだなとしみじみ思ってしまいました。
おどろおどろしさも感じられるようなスウェーデン版の方が正直怖かったですけど、
アメリカらしい雰囲気が混ざっている分、今作の方が気軽に観られました。
暑い夏に涼しい気分になりたい時にはぴったりの1本です。
監督:マット・リーヴス 出演:コディ・スミット=マクフィー クロエ・グレース・モレッツ リチャード・ジェンキンス イライアス・コティーズ
2010年 アメリカ 原題:LET ME IN
(20110817)
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