中田永一著の同名小説を映画化した青春ドラマです。
原作は未読ですけど人気の高い小説ですので、どのように映画化されるのだろうと気になっていました。
15歳という子供と大人の狭間に生きる難しさと純粋さを改めて感じさせてくれるような作品でした。
恋に落ちるって辛いなあとしみじみ思ってしまいました。
のんびりした高校の風景から始まる物語です。
クラスでも目立たない相原ノボル(竹内太郎)は、自分のことをレベル最下位の生徒だと認識しています。
ただ、学校内でも人気の高い神林先輩(石橋杏奈)には憧れを抱いていて、
高嶺の花と思いつつ、その姿をうっとりと目で追っていました。
そんなある日の学校帰り、彼は幼馴染で尊敬もしている宮崎先輩(工藤阿須加)と再会します。
宮崎先輩はお前が同じ高校に入学したとは知らなかったと言い、昔のように仲良く話しかけてきました。
ノボルは宮崎先輩が神林先輩と付き合っていることを知っています。
学校内でも憧れのカップルだったのです。
でも、ノボルは以前、宮崎先輩が別の女子高生と親しく話している姿を見かけたことがありました。
そのことを先輩に話すと、先輩はさり気無く話を変えます。
そして翌日、学校で先輩に呼び出された彼は、それまで顔も知らなかった1年生の女子、
百瀬陽(早見あかり)と付き合うことになっていました(-_-;)
それにしても、この初恋の物語は切ないですね。
前回書いた「グレート・ビューティー/追憶のローマ」も初恋がキーになる物語でしたけど、
半世紀前の恋だけに、純粋な美しさだけがキラキラと主人公の心に残っています。
でも、こちらは15年前の恋です。
まだ、ノボルの中には痛い想いが強く残っています。
そして、15年の時を経てその恋にまつわる事実が明らかになった時、
主人公や先輩たち、そして百瀬の深い想いが見えてきました。
この痛い想いがキラキラした想い出に変わることはあるかなと、
スクリーンを見つめながら考えてしまいました。
観終った時、今度はノボルの現代の恋が観てみたいなあと思った1本です。
監督:耶雲哉治 出演:早見あかり 竹内太郎 石橋杏奈 工藤阿須加 ひろみ[第2PK] 西田尚美 中村優子 きたろう 向井理
2014年 日本
(20140510)
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