本当は何があったのかは、永遠に突き止められないのかなと思ってしまいました。
CBSのニュース番組60ミニッツⅡを担当しているプロデューサーのメアリー・メイプル(ケイト・ブランシェット)は
懸案だった重要ニュースを放送に乗せられてほっとしていました。
すぐに次のニュースのテーマを決めなくてはなりません。
ここで長年抱いていた現大統領の軍歴詐欺疑惑に取り組みたいと決めたメイプルは、
自分の人選した特別チームで臨むことにしました。
ネットで情報を集めていたチームは、有力な証拠になりそうな情報を目にします。
その情報を繋げていくと、実際は兵役に従事していなかった期間があると分かりました。
早速、チーム全体でキーになる文書の信憑性を確認し始めます。
放送日が決定されて時間の無い中、何とか確信となる証言が取れて放送を決行します。
しかし翌日、ネットのブログに文書のフォントの年代が違うのではないかという意見が出始めてしまいました。
それにしても、色々と考えさせられる作品でした。
いつも様々なメディアに触れるたびに、情報には何らかの意図が入っていると感じます。
それは人が文章なり映像なりを編集しなくてはならないので当然です。
そこにどんな意図が混ざっているかを見極めるのは、情報を受け取る側も考えなくてはならないのですよね。
ただし、情報を流すマスメディアの責任は重大です。
それだけに、このスクープのキーになる文書の真偽が問われてしまったのは厳しかったです。
騒ぎになってしまうとスクープ全体の真偽なんて問題にされなくなってしまいます。
そのことで全ての情報が嘘にされてしまうからです。
また、スクープするマスメディアには立証責任があるものの、個人の意見を言うだけの
ブログやソーシャルメディアへの書き込みはそこまでは求められないということも感じました。
でも、意見が多数になれば大きなパワーになる、それが正しくても間違っていても。
多数に流れるのが心理とは言え、そういう情報の流れは怖いなあと感じました。
そんな流れと政治的な圧力の中で本当は何が起きていたのか見えなくなっていく展開は不気味でした。
観終った時、結局このスクープは何だったのだろうなあと考えてしまった1本です。
監督:ジェームズ・ヴァンダービルト 出演:ケイト・ブランシェット ロバート・レッドフォード トファー・グレイス デニス・クエイド エリザベス・モス ステイシー・キーチ
2015年 アメリカ/オーストラリア 原題:TRUTH
(20160814)
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公式サイトはこちらへ http://truth-movie.jp/追伸
あっ、もちろんケイト・ブランシェットとロバート・レッドフォードの演技は最高でした~