幼い頃のシャロン(アレックス・ヒバート)は仲間からリトルと呼ばれるいじめられっ子でした。
父親は居らず、母親はドラッグ中毒の売春婦だったシャロンは格好の対象だったのです。
ある日、いじめっ子から追われて危険な地域のアパートに隠れていたところ、ドラッグ売人の
フアン(マハーシャラ・アリ)に見つけられます。
フアンは子供には危ないからとシャロンを連れ出すと、食事をさせながら会話をしようと試みます。
でも、見知らぬ大人を警戒したシャロンは名前も名乗らずに無言を続けました。
シャロンの頑なさに手を焼いたフアンは、恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)に助けを求めます。
夕食を与えた彼女が問いかけると、ようやくシャロンは名前を答えて、リトルと呼ばれていることも話します。
そんなシャロンの様子を見ていた彼女が、今晩は泊まっていくかと問いかけると、
少年はほっとしたように肯きました。
そして時々、シャロンはフアンに会いにくるようになりました。
それにしても、予想以上に優しい余韻を感じる作品でした。
幼い頃から母親に疎まれ、学校では虐められていたシャロンは、他人であるドラッグ売人のフアンや
彼の恋人のテレサから与えられる無償の愛が救いになっていました。
そんなシャロンに同学年のケヴィンだけは、シャロンが強い心を持っているはずだと教えてくれます。
その日からケヴィンはシャロンの特別な人になりました。
そんな秘めた想いもティーンエイジャーになった時、ある事件から壊れてしまうのが哀しかったです(T_T)
しかも、その事件がきっかけで、シャロンの人生が大きく変わってしまうなんて…
大人になって変貌を遂げたシャロンの姿を観た時、うわーっと思ってしまいました。
再会したケヴィンがすぐに分からなかったのも納得です。
でも、そんなシャロンがケヴィンに逢えてどれほど嬉しかったかを考えると、
切なさで心がいっぱいになってしまいました。
男とか女とか関係なく、純粋な想いは美しいなあと感じました。
観終った時、観ている人を優しい気持ちにさせる作品だったなと思った1本です。
監督:バリー・ジェンキンス 出演:トレヴァンテ・ローズ アシュトン・サンダース アレックス・ヒバート アンドレ・ホーランド ジャハール・ジェローム ジャネール・モネイ ナオミ・ハリス マハーシャラ・アリ
2016年 アメリカ 原題:MOONLIGHT
(20170428)
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公式サイトはこちらへ http://moonlight-movie.jp/