今年のアカデミー賞で主演男優賞と脚本賞を受賞したヒューマンドラマです。
ケイシー・アフレックは好きな俳優さんなのでどんな演技を見せてくれるのか楽しみにしていました。
雪の季節から始まる物語です。
ボストンでアパート管理の便利屋をしているリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は
腕は良いけれど、愛想が無くて住人から苦情が来てしまうような人付き合いの苦手な男でした。
ある日、故郷から兄が倒れたという連絡が入りました。以前から心臓を患っていたのです。
故郷はボストンから車で1時間半ほど離れた海沿いの町マンチェスター・バイ・ザ・シー。
電話を受けてすぐに病院へ向かいましたけど、兄の死に目には間に合いませんでした。
親切な兄の親友ジョージ(C・J・ウィルソン)に助けられながら、リーは様々な準備に取り掛かりました。
高校生の甥パトリック(ルーカス・ヘッジズ)と共に葬儀屋で段取りを決め、弁護士事務所へ向かいます。
しかし、事務所で兄の遺言状を確認したリーは、自分が甥の後見人にされていたことに
驚くことしか出来ませんでした。
それにしても、厳しい人生を描いた物語でした。
自分の過失から全てを失ってしまったリーは、故郷を離れてボストンで暮らし始めます。
例え愛想が無くて職場の問題児になっていたとしても、リーの今の生活はボストンにあるのです。
一方のパトリックにとっては、自分の生活の場であるマンチェスター・バイ・ザ・シーを離れたくはありません。
その気持ちはリーにも理解できますし、出来ることなら故郷で甥と暮らしたいと悩みます。
でも、リーにとって、この町は本当に辛すぎるのです。
それが分かるにつれ、二人の希望通りには行かないだろうという予感がとても哀しかったです。
それでも、リーとパトリックの心はお互いの痛みを理解して近付いていきます。
その緩やかだけど希望の持てる展開に、ちょっとほっとしました。
観終った時、いつか二人はきっと信頼できる関係になるだろうな感じられて穏やかな気分になった1本です。
監督:ケネス・ロナーガン 出演:ケイシー・アフレック ミシェル・ウィリアムズ カイル・チャンドラー ルーカス・ヘッジズ カーラ・ヘイワード C・J・ウィルソン
2016年 アメリカ 原題:MANCHESTER BY THE SEA
(20170514)
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公式サイトはこちらへ http://manchesterbythesea.jp/