島本理生著の同名小説を行定勲監督が松本潤&有村架純主演で描いたある愛の物語です。
原作は未読ですけど、監督がどんなストーリーを紡いでくれるのか気になっていました。
忘れられない想いを抱えている女性の恋の行方が静かな映像と共に描かれていました。
大学へ通う工藤泉(有村架純)の携帯電話に高校時代の演劇部の顧問教師だった葉山(松本潤)から
突然に連絡が入りました。
彼女が所属していた演劇部の部員が少ないため、今年の発表会の応援を依頼してきたのです。
久々の葉山の声に動揺を隠せない工藤でしたけど、依頼を快く承諾しました。
数日後、演劇部の卒業生たちと現役高校生たちが集まって練習が開始されました。
工藤は変わらない葉山の姿に目を引かれます。
高校時代に辛い状況を葉山に救われた工藤は、先生に苦しい恋心を抱いていました。
でも、卒業式に伝えた告白は、葉山からあっさりと拒否されていました…
それにしても、とても切ない作品でした。
すれ違う想いと傷付いた恋心、そしてその傷を癒していく時間を丹念に描いています。
男のずるさや弱さ。女の一途さや強さ。それぞれが正直に映し出されているので
ものすごく人間らしさを感じると同時に、彼らの想いがスクリーンからひしひしと伝わって来ました。
でも、希望も感じられます。
ここまで切ない恋はなかなか体験できないかも知れませんけど、
多少なりとも誰もがこの年齢の頃には通る道のような気がします。
そんな青春時代に、真っ直ぐに想いを募らせていく工藤泉の純粋さに心を揺さぶられました。
そして、懸命にその想いを昇華しようとする彼女の強さに、観ている方も惹き付けられました。
エンドロールが終わっても心の中に余韻が残っていました。
観終った時、今日はずっとこの余韻に囚われそうだなあと感じた1本です。
監督:行定勲 出演:松本潤 有村架純 坂口健太郎 大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地 市川実日子 瀬戸康史
2017年 日本
(20171126)
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