真面目さゆえに、おバカな殿様の命令で“のみとり”にさせられてしまった侍の物語です。
予告編を観て、真面目にショックを受けているシーンが妙に可笑しいなあと思っていました。
なかなか大人のシーンが多かったですけど、予想以上に楽しい気分になれる作品でした。
真面目な人柄で周りからも認められている小林寛之進(阿部寛)は、
藩の勘定方書き役という重要な役目を担っていました。
でも、ある歌会の席で、お殿様の詠んだ歌を盗作だと言ってしまいます。
殿の逆鱗に触れた寛之進は、「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」と仕事をクビにさせられてしまいました。
猫の蚤とり屋を訪れた寛之進は、気の良い親分夫婦(風間杜夫、大竹しのぶ)に出会い、
派手な着物を着せてもらいながら、猫の蚤とりの秘訣を教授してもらいます。
そこでようやく蚤とり屋の意味を知った寛之進は、それでも殿の命とあらば…と
真面目に蚤とり家業に取り組み始めました。
それにしても、何だか明るくて可笑しさのある作品ですね~
真面目なキャラクターにぴったりな阿部さんが演じているのもあって、クスっと笑ってしまうのです。
R15らしいシーンはいろいろ登場するのですけど、画面の明るさと軽快な音楽と思い切りの良さを感じる演技に、
ドキドキよりも思わずニッコリしまうような楽しさを感じます。
とにかく、主人公のキャラクターが真面目一徹だからでしょうか。
どんな境遇になっても真摯な心を失わないところが本当に偉いです。
その心の強さは、時に自分の損得を勘定するだけのような人の心までも動かし、彼の未来を導いてくれます。
そんな正直者が救われていく展開が心地良かったです。
また、そんな主人公に出会う俳優陣も魅力的でした。
特に寛之進に一目惚れするおみね役の寺島しのぶさんと、寛之進の蚤とり指南役となる豊川悦司さんは
さすがの存在感でした~
会場から出てくる際に、前を歩いていたカップルが
面白かったけど何で主人公の問題が解決したのかが判らない~と言っていました。
“いやいや、そこはもう一度観てちゃんと理解しようね”と思ってしまった1本です(^^ゞ
監督:鶴橋康夫 出演:阿部寛 寺島しのぶ 豊川悦司 斎藤工 風間杜夫 大竹しのぶ 前田敦子 桂文枝
2018年 日本
(20180402)
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公式サイトはこちらへ http://nomitori.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は5月18日以降の予定です。