ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵KING&QUEEN展 ー名画で読み解く 英国王室物語ーⅠ テューダー朝ヘンリー8世やエリザベス1世が登場する時代です。
私にとってヘンリー8世とは『
ブーリン家の姉妹』に登場するとても怖い王。
次々と妻を死に追いやるイメージしかありません。
アン・ブーリンほか彼の妻たちの肖像画と共に展示されていました。
肖像画を見た印象は、やっぱり偉そうで怖そう…という感じでした^^;
イングランド女王エリザベス1世の肖像画のインパクトも凄かったです。
エリザベス女王と言えば、『
エリザベス』『
エリザベス:ゴールデン・エイジ』で
ケイト・ブランシェットが演じたあの女王です。
真珠や宝石で飾り立てられた肖像画は本当に緻密で豪華で圧倒的でした。
Ⅱ ステュアート朝 エリザベス1世の死去に伴い、甥のスコットランド王ジェームズ6世がスコットランドの称号を
保持したままイングランド王ジェームズ1世となりました。
この時代も激動の時代でした。王が処刑されたのもこの時代だそうです。
あと、逸話でインパクトがあったのはステュアート朝最後の君主になったアン女王です。
17回の妊娠を体験しましたが一人も子供が育たなかったという辛い人生を送ったこと、
そして、若い頃の肖像画は美しくて輝くようだったのに、ストレスからアルコールへ逃げて
最後は立つのも大変なくらい太ってしまったということです。
頂きに立つ者は平和には生きられないのだなあとしみじみと感じました。
Ⅲ ハノーヴァー朝 アン女王の死去に伴い、母がジェームズ1世の血を引くジェームズ1世の曾孫で
ドイツで生まれ育ったジョージ1世が王位を引き継ぎます。
産業革命が起こり芸術や建築が発展して、風刺画が流行した時代でもあるそうです。
ジョージ4世のカッコいい肖像画とぶよぶよと太った風刺画の比較はインパクトがありました。
この時代ではジョージ4世の後に国民に高い人気を誇るヴィクトリア女王が誕生しています。
Ⅳ ヴィクトリア女王の時代 私にとってヴィクトリア女王と言えばエミリー・ブラント主演の『
ヴィクトリア女王 世紀の愛』です。
アルバート公との愛の物語が印象に残っています。
これまでずっと厳しい人生を送って来た王たちの肖像画を見て来たので、
夫に愛され子宝にも恵まれた女王が国民に慕われたのも納得です。
最近ではジュディ・デンチ主演の『
ヴィクトリア女王 最期の秘密』を観ていますけど、
こちらのヴィクトリア女王は孤独で寂しい人です。
また、ヴィクトリア女王は写真のポートレートも残っています。ちょっと厳しい感じの横顔も、
やはり孤独な印象を受けました。
Ⅴ ウィンザー朝 ウィンザー朝はヴィクトリア女王の孫のジョージ5世から始まります。
この時代を描いた映画と言えば、まずは『
英国王のスピーチ』ですね。
兄エドワード8世が愛を選んで王位を退位したために、望まないのに王となってしまった
ジョージ5世の次男ジョージ6世の物語です。
海軍の軍服を着た肖像画がお気に入りだったようです。
19歳のエリザベスを描いた『
ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』は可愛い物語でした。
25歳で女王を継承した時の肖像画も輝くようにきれいだなあと感じました。
その後、時を経て『
クィーン』(ヘレン・ミレン主演)になると、長年の職務の大変さと厳しさを
感じさせます。
最近のロイヤルファミリーの写真は柔らかな笑顔で映っているものが多かったです。
その中で婚約を記念して制作されたダイアナ妃の肖像画は、彼女独特の主張を感じる興味い作品でした。
肖像画だけの美術展は初めてでしたけど、解説が充実していて予想以上に面白かったです。
全体的に混雑を回避した入場になっていたので、展示物がとても観やすかったのも良かったです(^^)
とても充実した時間を過ごせた美術展でした。
(20201205)
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公式サイトはこちらへ http://www.kingandqueen.jp/→
家系図はこちらへ http://www.kingandqueen.jp/family-tree.pdf