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手紙 [た行]

罪というものを改めて考えさせられました。

朝、工場へ向かう送迎バスの中。
みんなの会話に入らず、いつも最後尾の席に一人で座っている若者(山田孝之)がいた。
同じバスの中で乗り合わせているうちに、彼を気になり始めた由美子(沢尻エリカ)は
何とか近付こうとするが、彼は彼女に取り付く島も与えない。
そして、とうとう自分の兄は殺人犯だと言い残し、彼女の前を去っていった…

実は割と早く観たのですが、なかなか書けませんでした。
映画を観た後に本を手にし、さらに頭の中がわーっとなってしまったのです(^_^.)
この映画の重さはかなり心にきました。
でも、本当に観て良かったと思える作品でした。

犯罪者だけではなく、その家族も背負っていかなければならないものが生まれる…
本当の更生とは、被害の相手ではなく自分の家族の人生をも
自分の罪の影響によって歪ませてしまうという事実を
きちんと認識することから始まるのかも知れないと、この物語は伝えています。

差別の無い世界など無い。
それは現実の姿であり、哀しいけれど変えようの無い事実です。
特に家族を守る立場にある人が、愛する家族を犯罪者から遠避けようとするのは当然です。
また、犯罪者の家族との付き合いも犯罪に近付ける要因になると考えるのは
仕方の無いことなのかも知れません。そして、そこから差別が生まれていきます。

そんな差別によって、殺人犯の弟である主人公は
本人にとっては理不尽としか思えない差別を受けながら生きることになります。
でも、そんな差別を乗り越えるほどの強い絆が彼の心を救っていきます。
主人公が働く量販店の社長や被害者の息子の言葉は
ずっと忘れられないものになりました。

観終った時、寂しい中にも希望が感じられて、ほっとした1本です。


(061111)


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コザック

こんばんは。
私は、あんまり期待しないで見てきたのですが、とても心を打たれました。
>主人公が働く量販店の社長や被害者の息子の言葉はずっと忘れられないものになりました。
→杉浦直樹のやさしい口調でいう言葉はとても心にしみました。私はサラリーマンなので、偉くなるヒトにはそれなりに人間が出来ているヒトとそれを相手に伝える術がすばらしいヒトがなるもんだな・・・と思っちゃいました。実際はあんなヒト滅多にいないけどね~。
ヒトとヒトとのつながりを考えさせられてしまった作品でした。
by コザック (2006-11-27 00:04) 

non_0101

コザックさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBをありがとうございました。
> 実際はあんなヒト滅多にいないけどね~。
本当にそうですね~(笑)
上に立つ人には、いっそのこと教育学とか学んで欲しいなあ…
指導力とか人を見る目が無いとダメだと思います(^^ゞ
by non_0101 (2006-11-28 00:43) 

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