SSブログ

暗いところで待ち合わせ [か行]

主演の二人の佇まいが好きだなと思いました。

ミチル(田中麗奈)は駅前の高台にある家で、父と二人暮しをしている。
彼女は交通事故により視力を失い、一人では外へ出かけられない。
でも、幼い頃に出て行った母の代わりとして、今でも家事は一通りこなしていた。
そんな静かな生活が突然に一変してしまう。父が病気で急死してしまったのだ。
親戚に頼らず一人で暮らし始めたミチルの支えになるのは
時々、買い物や遊びに連れて行ってくれる親友のカズエだけだった。
ある朝、駅で急ブレーキの音が聞こえた。ミチルは窓を開けて様子を伺うも、よく分からない。
しばらくして玄関のチャイムが鳴った。応対にドアを開けたミチルだったが、返事は無い。
しかし、そこには息を潜めて立ちすくむ大石アキヒロ(チェン・ボーリン)がいた…

とても静かな作品でした。
孤独な一人暮らしのミチルは家に引きこもっているので台詞も少ないです。
でも、その代わりに足音や物音などが聞こえてきて
静かだからこその緊張感に満ちていました。

人に迷惑をかけるのが怖くて外に出られないミチルと
人と心を通わすことが出来なくて孤独な生活を送っているアキヒロ。
そんな二人が触れそうで相容れない様子には
観ている方もじっと息を詰めてしまいそうでした。

それにしても田中麗奈さんはこの役にぴったりでした。
とても寂しげな横顔が切なかったです。
相手役のチェン・ボーリンさんも、暗い瞳でじっと見詰める姿が印象的でした。
特にラストで、一生懸命にミチルへ語りかける言葉は、ひとつひとつが心に響きました。

孤独な心の痛みや哀しみに耐えながらも前向きに生きようとするミチルの姿に
やさしさと勇気をもらった1本です。


(061219)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。