グッド・シェパード [さ行]
長くて暗くて重い映画と聞いていたので覚悟していたのですけど、なかなか面白かったです。
リアルさと緊張感が途切れること無く、最後までどうなるのだろうとドキドキしながら見つめていました。
海軍の次期将軍と謳われた亡き父の優秀さと真面目さを受け継いでいたエドワード(マット・デイモン)は
大学の中でも名門のクラブへ誘われる。
そこは大統領や大臣など、国家を動かすような人物たちを多く輩出していた優秀な人材を集めたクラブだ。
才能にあふれたエドワードは教授から一目置かれるほどで、特に詩の分野では頭角を現していた。
そんな彼に突然、FBIがある教授をスパイするように働きかけてきた。
そして、その教授の創作した詩に疑問を持った彼は図書館でその詩の謎を突き止め、次の行動を決めた…
1930年代後半から戦中に対外諜報活動を担ったOSSと
その後身であるCIAに従事した一人の男の人生を描いた物語です。
もともとOSSやCIAはWASPの集う名門クラブからのリクルートで作られたような
秘密結社のようなところだったらしいです。
そんな職場の中で情報戦略を学び、情報を操作して静かに行動する主人公は
質問に沈黙で答えるほどの寡黙さと洞察力から、敵からも一目置かれている人物です。
亡き父の遺言は“友に嘘をつくな”で、彼はその言葉を体現するように真面目に生きています。
しかし、従事している職場は嘘の情報が流れ飛ぶところで、誰も信用できません。
情報戦略の師と仰ぐ人々には“早く足を洗え”“誰も信用するな”と言われ、友と呼べる人間は皆無に等しく、
また、運命の悪戯のように恋人や家族への愛も無くしていきます。
まるで、最大のライバルであるソ連の大物諜報員との会話が
知己の友人のものに見えるほど孤独な影を背負っています。
そんな主人公がアメリカのキューバ作戦の影に仕掛けられた罠を知った後の行動には
彼の人生を象徴するような深い哀しみを感じました。
それにしてもマット・デイモンは同じCIAなのに『ボーン・アルティメイタム』とは全く違う人物像を
本当にリアルに見せてくれました~
アクションとかけ離れた主人公の背負った哀しみの重さを、無言の背中で語ってくれました。
これだけ違う印象になれるなんて、やっぱりロバート・デ・ニーロが選んだだけはありますね(^^)
登場する俳優さんたちの豪華さもさることながら、やっぱりみんな演技が上手いなあと感動しながら
リアルなCIAの世界に浸っていた1本です。
監督:ロバート・デ・ニーロ 出演:マット・デイモン アンジェリーナ・ジョリー エディ・レッドメイン
2006年製作 アメリカ 原題:THE GOOD SHEPHERD
(071109)
nonさん、こんばんわ。
今日は「ボーン・アルティメイタム」を見たばかりなので、この作品のマット・デイモンが、いかに違うキャラ、しかもCIAつながりで、演じていたのが分かりました。
最後、この主人公は自殺してしまうのではないかと、ハラハラして見ていたのですが、息子への愛情が、ああいうラストの結末になるとは、悲しいお話でした。
マット・デイモン、いい役者ですよねっ。
by Catcat44 (2007-11-10 20:27)
LICCAさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBをありがとうございました!
本当に哀しいお話でしたね。
ラストのあのくたびれた背中が、何とも言えない哀しさ漂わせていました。
それにしてもマット・デイモンは本当にいい役者さんですね(^^)
by non_0101 (2007-11-11 00:37)
自分もこの作品、観ていて気づいたら惹きこまれているっていう状態で、すっかりはまりました。漆黒の落ち着いたトーンがデ・ニーロ監督のこだわりの世界に思えて、描かれている物語の(エドワードが実直であるが故の)切なさが印象深く残りました。
by cs (2007-11-11 10:49)
csさんへ
nice&コメントをありがとうございました!
> 漆黒の落ち着いたトーンがデ・ニーロ監督のこだわりの世界に思えて
以前、同じようなトーンの作品で眠りに落ちたこともあったのですけど
今回は私もドキドキしながら引き込まれました☆
by non_0101 (2007-11-12 02:08)
xml_xslさんへ
niceをありがとうございました!
by non_0101 (2007-11-12 02:08)
この映画の鑑賞券が当たりましたので、近々観に行こうと思っています。マット・デイモンはスパイ役が多いですね。ブログ参考になりました。
by たいちさん (2007-11-12 16:07)
たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
鑑賞券が当たって良かったですね(^^)
役者の揃った緊張感のある作品でした。
見応えのある物語なので、ぜひ、じっくりと楽しんでくださいね☆
by non_0101 (2007-11-13 01:00)