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ジェシー・ジェームズの暗殺 [さ行]

南北戦争後の19世紀後半にかけて庶民のヒーロー的存在だった悪名高き犯罪者ジェシー・ジェームズと
彼を暗殺した若者ロバート・フォードの出会いから死までを丹念に描いた作品です。
ブラッド・ピットの存在感は圧倒的でした!

南北戦争が終わって間もない頃のアメリカでは、国中で知らない人はいないほどに有名な兄弟がいた。
彼らは強盗や殺人を犯していたが、国民に広く受け入れられているヒーローだった。
そんなジェームズ兄弟のもとに、19歳の若者ロバート・フォード(ケイシー・アフレック)がやってくる。
彼はジェームズ兄弟と共に強盗をしている兄のつてで、自分も仲間に入れて貰えないかと訪ねて来たのだ。
ジェームズ兄弟の兄フランク(サム・ロックウェル)はロバートに見向きもしなかったが、
弟ジェシー(ブラッド・ピット)は愛想良くロバートを迎え入れる。
しかし、ロバートが初参加した列車強盗は、搬送されている金は少なく実入りが無かった上に
大々的に新聞に事件が載って警察も捜査を強めてきたため、慎重な生活をせざる終えなくなってしまった…

広い草原。ぽつんと建っている一軒家。腰から下げている銃。馬での旅。
どれもが心を西部劇の世界へ、そして緊張感あふれる空間へと誘ってくれました。
試写会の待ち時間に流れているメインの曲が、なんとなくのんびりした雰囲気でしたので
もしやこれは眠りに誘われる?こんなに疲れている時に観たら記憶が飛んでしまう?と覚悟したのですけど
意外にしっかりと起きていました(^^ゞ

自分が心から憧れるヒーロー。新聞記事を集め、足のサイズも好きなものも調べて知っているほどの人物。
そんな一途なヒーローへの憧れが段々と複雑な想いに変わり、そして裏切りへと追い詰められていきます。
時を移ろうほどに変わっていくロバートの心の変化が独特な空気の中で描かれていました。

ハンサムでいつでも微笑んでいるように見えるジェシーは、そのカリスマ性で出会う人を魅了します。
しかし反面、賞金をかけてまで追いかけられている彼は身内もを疑うような猜疑心を持ち続け、
側に近づいた者は憧れと共に恐怖心も感じるようになります。
青い瞳はいつでも人の心を見透かすように危険な企みを暴き、
そして裏切者と判断された結果は容赦が無かったからです。
そんな、登場するだけで空気が凍るような存在感の持ち主ジェシーを
ブラッド・ピットは本当に違和感無く演じていました。

また、彼を慕いつつも彼を手にかけてしまうロバートを演じたケイシー・アフレックも
不器用な雰囲気を持つ生真面目な男を、とてもリアルな表情で演じていました。

160分という長い時間&静かな音楽 だったのに、独特の緊張感に飲まれて見入ってしまった1本です。

監督:アンドリュー・ドミニク 出演:ブラッド・ピット ケイシー・アフレック サム・ロックウェル
2007年製作 アメリカ 原題:THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD
(071204)


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コメント 6

snorita

アメリカ人、ビリー・ザ・キッドとかジェシー・ジェームズみたいな西部系のヒーロー(?)かなり好きですよね。この映画、予告編だけみました。史実とはちょっとちがった解釈なのかしら?懸賞金に目がくらんだフォード兄弟に殺された、と思っていました。是非是非、みてみたいと思います。
by snorita (2007-12-06 15:50) 

non_0101

xml_xslさんへ
niceをありがとうございました!
by non_0101 (2007-12-06 23:03) 

non_0101

たねさんへ
niceをありがとうございました!
by non_0101 (2007-12-06 23:06) 

non_0101

snoritaさんへ
こんにちは!
どうしてかはいまいち理解できないですけど、ジェシー・ジェームズは本当に人気者でしたね!
> 懸賞金に目がくらんだフォード兄弟に殺された
この映画では、フォード兄弟の行動は懸賞金に目がくらんだというよりも
もっと追い詰められたように描かれていて興味深かったです。
追い詰めるジェシー役のブラッド・ピットは迫力満点でした☆
by non_0101 (2007-12-06 23:19) 

たいちさん

ブラッド・ビットが悪役をすることで話題になっていますね。大阪での試写会があまりないようです。ブログを読んで、観てみたい気になりましたね。
by たいちさん (2007-12-10 13:14) 

non_0101

たいちさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
ブラッド・ビットがヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞した作品です。
主人公の存在感が圧倒的で、受賞もなるほどと思わせるものがありました。
長いので、良い椅子の劇場で観るのがお勧めです(^^)
by non_0101 (2007-12-11 07:18) 

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