フローズン・タイム

写真家でもある監督が紡ぎ出したファンタジーです。
映像の美しさに魅せられて、異空間へトリップしたような気持ちになりました(^^)

美大生ベン（ショーン・ビガースタッフ）は2年半も付き合っていた彼女と破局した。
彼女への想いが断ち切れないまま、彼はその日から眠れなくなってしまう。
夜の時間を持て余した彼は、スーパーの夜間バイトを始めた。
余った時間を有効に使おうとしたのだ。
そして眠れない夜が数週間も続いたある日、彼の時間感覚が周りとずれ始め、
とうとう彼は止まった時間の中で動くことが出来るようになってしまった…

なんとも頼りなさそうな美大生の男の子の心の行方が不思議な雰囲気の中で映し出されていました。

ベンは少年の頃に女性の裸体の美しさに感動し、そのまま絵を描くことが好きな美大生になった男の子。
男性の裸体には興味がなく、せっかく男性のモデルが来ているデッサンの授業でも
向かいに座っている美しい女子大生の顔を描いてしまう始末です。
そんな彼が、止まった時間の中を動けるようになってしまいます。
ＳＦではないので、何故かという説明はないのですけど、
そこはなんとなく主人公のやるせない雰囲気に納得させられてしまいました(^^ゞ

その止まった世界でベンがしたことは…　ちょっとしたいたずらやスケッチです。
スケッチするためにスーパーのお客さんの服を脱がしてしまうのはどうかと思うのですけど
彼はひたすら真剣なまなざしでスケッチをしていきます。
そして同じスーパーに勤めるシャロンの横顔に見惚れ始めます。
彼は美を見極める瞳を持っていたのです。

そんなベンの静止の世界はちょっと不思議でした～
表情を変えないままマネキンのように止まった人間たち。
そんな音も無い世界で彼は心を静かにさせ、自分を見つめていきます。
そしてどんなに立ち止まっても時間を巻き戻すことは出来ないことを悟ります。

途中はおちゃめなスーパーの店員たちが繰り広げるギャグに笑わせてもらいながらも、
主人公の成長とラストシーンの美しさにちょっと素敵な気分で映画館を出た1本です。



監督：ショーン・エリス　出演：ショーン・ビガースタッフ　エミリア・フォックス　ショーン・エヴァンス　ミシェル・ライアン
2006年製作　イギリス　原題：CASHBACK
（080416）

コメント 4

ネットで予告編を観ました。アカデミー賞短編部門でノミネートされた作品とのこと。大阪の劇場を検索すると、すでに終了していました。
by たいちさん (2008-04-21 16:15) 

たいちさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
すみません！この映画、公開は1月からだったのですけど
好評だったのか、こちらではロングランしてたのです～
私もずっと気にかかっていたので、終了間際にようやく観て来ました(^^ゞ
何となく冬が似合いそうな作品だったので、いつか静かな冬の夜にでも
のんびりＤＶＤで見てみてくださいね(^^)
by non_0101 (2008-04-21 21:09) 

xml_xslさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2008-04-21 21:15) 

アートフル　ドジャーさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2008-04-25 06:55)