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イノセント・ボイス 12歳の戦場 [い]

脚本のオスカー・トレスの実体験を基に
1980年代のエルサルバドルをリアルに描いた作品です。

政府軍と反政府ゲリラの戦いが続いているエルサルバドル。
その内戦にはアメリカ政府の思惑によりアメリカ軍の援助も加わって、日に日に激化していった。
首都近郊で暮らすチャバは11歳。アメリカに行ったきりになっている父の代わりに
母と姉弟を支えながら生きていた。
しかし、チャバの住む町はちょうど政府軍とゲリラとの衝突が繰り返されている地域で
もはや、どこにも安全といえる場所は無い。
ベド叔父さんが訪ねて来て話を楽しんでいたのも束の間、突如として銃撃戦が始まった。
木の壁を貫通して飛び交う銃弾の中、ベッドの下に隠れていると近所からの悲鳴が起きる。
隣家へ駆けつけてみると、祖母の胸に瀕死の重傷を負った孫娘が抱かれていた…

あまりにも過酷な状況にショックで呆然としてしまいました。
12歳になると、まるで人攫いのごとく学校からトラックに乗せられ
政府軍に徴兵されてしまう子供たち。
時には自宅からも、母の手を引きちぎるようにして子供たちは連れ去られてしまう。
泣きながら連れて行かれる子供たち。
それなのに何ヶ月かたつと、彼らは完全な兵士として教育され
銃で友達を脅したり、人を撃つようになってしまう。
ちょっとしたことでも楽しく過ごせるようなかわいい子供たちだったと分かっているからこそ
とても哀しかったです。

それにしても、あまりにも多くの子供たちが犠牲になっていってしまう。
子供の死体でいっぱいになっている処刑場なんてこの世にあってはならないです。
奇跡的に生き残った主人公が、これからどんな重さを持って
生きていかなくてはならないかと思うと切なさで胸がいっぱいになりました。

ずっとずっと、忘れられない(忘れてはならない)作品になりました。


(060308)


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