父親たちの星条旗 [た行]
クリント・イーストウッド監督が描いた硫黄島2部作のうち、アメリカ側から見た作品です。
映像もすごかったですが、それ以上にこの題材を映画化したことがすごいなあと思いました。
太平洋戦争末期の1945年2月。
日本への攻撃拠点とするため、アメリカ軍は硫黄島を占領する作戦を開始した。
いつものように包囲された時点で決着のついてしまう戦いかと思っていたが
日本軍の抵抗が激しく、終わりの見えない死闘が繰り広げられていく。
戦いが始まって約1週間後、攻撃が静まったのを見計らって、擂鉢山に星条旗が掲げられた。
それを見たアメリカ軍兵士たちは歓喜に沸き立つが、
その旗を欲しがった上官のために、すぐさま旗を交換することになった。
交換する旗を持った兵士たちに付いて行ったカメラマンは
彼らが新しい旗を立てる姿を写真に撮った。
その写真が話題となり、写真に写っている兵士のうち生き残った3人が戦場から呼び戻される。
それは彼らを軍資金ための国債購入キャンペーンに出演させるためだった…
自分たちが英雄ではないと判っている彼ら3人は
写真についての真実を語ることを禁じられたままキャンペーンに駆りだされます。
足の怪我を完治させるための手術などは後回しです。
戦場で戦っている仲間たちとはかけ離れたところで、英雄としてもてはやされる3人。
そんな矛盾との葛藤の中で、ひとりは将来へ分不相応の夢を描き、
ひとりは戦場の仲間を想ってアルコールに溺れ、
そして、ひとりは怪我した足を引きずりながらキャンペーンをこなしていきました。
なぜ死ぬのかなどと考える余地も無いまま
故郷から遠く離れた孤島で死んでいく若者たちの姿。
戦友たちを大切に想う気持ちと、そんな仲間たちが次々と死んでいく姿を見せられる悲惨さ。
戦場のシーンはいつもやりきれない気持ちにさせます。
それに加えて、偶然に生まれた虚構を裏付けるためとして
別の意味で戦争の道具とされた若者3人の運命は切ないものがありました。
しみじみと戦争のむなしさを実感した1本です。
(061104)
ホントにやりきれない作品でしたが、
改めて戦争について考える機会が与えられて
よかったなあ、と思いました。
過去の教訓でしか人間は学べませんもんね。
by やまたく (2006-11-16 16:22)
やまたくさんへ
コメント&TBをありがとうございました。
頭では知識として持っていても、映像で見せられると
硫黄島の闘いや戦争について考えさせられてしまいますね。
第2部『硫黄島からの手紙』では、さらに考えることが多いだろうなと思います。
> 過去の教訓でしか人間は学べませんもんね。
本当にそうですよね!
by non_0101 (2006-11-16 23:06)
お久しぶりにお邪魔します!
nonさん、ほんとにたくさん映画を観ていらっしゃるので、なかなか追い付けません(^^;
この映画、先日観ました。重い映画でしたが、見応えありました。さすがイーストウッド監督の作品。いろいろと考えさせられますね!「硫黄島からの手紙」も楽しみです。
by (2006-11-17 19:22)
nonさん、こんばんわ!
私は、「硫黄島からの手紙」の為に「父親たちの星条旗」を見たようなフツツカモノなのですが、弾の飛び交う硫黄島と、戦争中にも関わらず浮かれているようなアメリカ国内の様子のギャップに、心苦しくなりました。
「父親たちの星条旗」の主人公ドクは、帰還しましたが、「硫黄島からの手紙」は、虚しくなりそうですね。でも見ます。
TBさせて頂きます。
by Catcat44 (2006-11-17 21:48)
REiさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBをありがとうございました。
こちらこそ、REiさんのブログはいつも楽しませていただいているのですけど
なかなかコメントが書けなくてすみませんm(__)m
最近、映画を観てるのはいいのですが、ブログが追いつかなくて困ってます(^^ゞ
本当にイーストウッド監督の作品は見応えがあるなあと思います。
『硫黄島からの手紙』も期待ですね!
by non_0101 (2006-11-18 00:23)
LICCAさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBをありがとうございました。
この映画で、戦争にヒーローなどいないと伝えてくれたイーストウッド監督が
今度は日本軍をどのように描いているか、とっても興味を持ってます。
『硫黄島からの手紙』で何を感じさせてくれるか…早く観たいなあと思ってます!
by non_0101 (2006-11-18 00:32)