ミッドナイト イーグル

高嶋哲夫氏の同名小説の映画化です。
原作とは違った設定もありましたけど、アクションよりも人間ドラマの作りになっていて
やっぱり泣かされました(T_T)

冬の北アルプスで星空の撮影をしていた写真家・西島優二（大沢たかお）は
音を響かせながら飛んでいく航空機の光に気付き、とっさに写真を撮った。
その光は山間に墜落し、後を追うように複数の戦闘機が飛んで来た。
翌日、自宅に戻った西島は新聞社に勤める後輩・落合信一郎（玉木宏）に問い合わせてみるが
その航空機に関する情報はキャッチされていなかった。
深く気にすることなくボケた光の写真を追いやった西島だったが、今度は突然、落合が家まで訪ねて来る。
どうも北アルプスに自衛隊が集まり始め騒がしいというのだ。
西島の写真を見てスクープを確信した落合は、強引に西島を誘って北アルプスへと向かった…

何度も映し出される冬山の美しさと厳しさ。画面から寒さが直に伝わってくるような数々のシーン。
そして、役者さんたちの迫真の演技。
製作費では負けても、自然の美しさと演技では世界に負けないぞという意気込みが伝わってくるようでした(^^ゞ

戦場カメラマンとして世界の人々に訴えかける写真を撮った過去を持ちながら
圧倒的な戦争の力に対する自分の無力さを実感して心に傷を負ってしまった西島。
彼は戦場へカメラを向けられなくなり、心を閉ざして山へと逃避している間に妻も病死してしまいます。
西島の一人息子・優を引き取って育てている義理の妹・慶子（竹内結子）は今も西島を許すことができません。
物語はそんな西島と慶子、そして総理大臣（藤竜也）の3人の苦悩と心の動きを中心に
サスペンスやアクションを織り交ぜながら描かれていました。

ただ、原作でははっきり出てきた敵国の正体も、映画では何となく解る程度になっていました。
その点は中井貴一さんが強烈だった『亡国のイージス』の方が迫力ありましたけど、
今回の実質的な敵である“核の脅威”もリアルな設定だけに、本当にありそうで怖かったです。

それにしても役者さんたちの演技は見応えがありました～
みんな良いですけど、特に主演の大沢たかおさん、竹内結子さん、そして藤竜也さんはさすがでした。
台詞が無い静かなシーンもその映し出される表情にじっと見入ってしまいました(^^)

良く考えると突っ込みどころがいろいろ出てきそうですけれど、それ以上に見応えがありました。
守りたい人がいると人間は本当に強くなれる…という想いで胸がいっぱいになった１本です。

監督：成島出　原作：高嶋哲夫　出演：大沢たかお　竹内結子　玉木宏　藤竜也　
2007年製作
（071128）

コメント 10

まだ観ていませんが、大沢たかおファンですので、是非観たいと思っています。大変参考になりました。
by たいちさん (2007-11-30 15:47) 

コメトラどうもでした。

山岳物を沢山見てきたのでちょっと見劣りしてました
その辺が気になってイマイチ引きこまれませんでした（泣
大沢、玉木、吉田の３人の演技は良かったと思います。
by くまんちゅう (2007-12-02 13:57) 

たいちさんへ
お返事遅くなってしまいましたm(__)m
nice＆コメントをありがとうございました！
> 大沢たかおファンですので
それならぜひ、お勧めです～
大沢たかおさんの演技は見応えがありました☆
by non_0101 (2007-12-02 22:15) 

くまんちゅうさんへ
こんばんは。コメント＆TBをありがとうございました！
ちゃんと冬山を知っている人が見ると、いろいろ突っ込みどころがあるのですね。
せっかく寒いところでロケをしたのに、生かしきれないみたいで残念でしたね～
私は原作を読んでいたので、ストーリーよりも演技に見入っていたのが良かったのか
気が付いたら、結構引き込まれていました(^^ゞ
by non_0101 (2007-12-02 22:24) 

こんばんは！
この作品の舞台となった北アルプス最高峰の穂高連峰には、
夏場ですが、２回登りました。日本第３位の高峰（3190Ｍ）で、
第２位の北岳が（3192Ｍ）で２Ｍの差しかないので、山頂で
大きな岩の上に登り、日本第２の山を抜いたぞと道化たのが、
とてもなつかしいです。
それにしても、撮影は厳冬期に行なわれたので、本当に大変
だったと思います。吉田栄作の久々の勇姿もよかったです。

＊応援お疲れ様でした。
by みつかこね (2007-12-09 00:12) 

non_0101さん、こんばんは。

２時間ちょっとでは、なかなか表しきれない物語の
スケールや人同士のつながり等はあったんでしょうが、
役者陣がよく頑張っていた作品だと思います。
大沢さんは、いったん自分の無力さを味わった人間の
悲哀を苦笑いのような独特の表情で雰囲気を出して
いました。結子さんは、母の顔、仕事の顔、妹としての
顔など多彩な立場での慶子の存在を、見事に演じ分けて
いたと思います。一番慶子らしくいれたのは、記者としての
顔だったでしょうか。母や妹、西崎を前にしたときには、
それぞれの立場で気丈に立ち振る舞おうという気概を
感じました。最後の西崎への一言はほんと圧巻でしたね。
もう一度観たいシーンでした。
原作も読んでみたいです。
by ひーろ (2007-12-09 00:27) 

みつかこねかさんへ
こんにちは。私は山には足を踏み入れたことが無いので山の厳しさを知りません。
でも、あの深さの雪を歩いていくだけでも、大変だろうなあと思いながら観ていました。
私だったらきっと3歩でダウンです。
役者さんたちは本当に頑張っていましたね☆
by non_0101 (2007-12-09 09:49) 

ひーろさんへ
こんにちは。役者さんたちの演技は本当に見応えがありましたね！
原作を読んでストーリーを知っていた分、演技の方にに見入っていました。
原作は竹内結子さんの演じた役の設定や
大沢たかおさんの演じた主人公の心の傷の原因などが違いますけど、
読み応えのある作品です。
原作を読んでから映画を観ると、また楽しめるかもしれませんね(^^)
by non_0101 (2007-12-09 09:59) 

かなり侮って見に行ったので、相対的にかなり楽しめました。

吉田栄作がカッコよく見えたのが、少し悔しいですが・・・
by バラサ☆バラサ (2007-12-25 18:51) 

バラサ☆バラサさんへ
こんばんは。nice＆コメント＆TBをありがとうございました！
楽しめてよかったですね(^^)
吉田栄作の演じた役は、男の人には評判良さそうですね。
私にはあっさりしすぎるなあと思ってしまいました。
だって、もうすぐ子供が生まれてくるって言ってたのに！そんなものかな(^^ゞ
by non_0101 (2007-12-25 23:43)