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この自由な世界で [か行]

2007年のベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞した作品です。
本当に哀しくて切なくなるストーリーでした(T_T)

シングルマザーとしてひとり息子を育てているアンジー(キルストン・ウェアリング)は
移民相手の職業斡旋所で働いていた。
彼女はアクティブで向上心が強く、自分には才能があると頑張っているのだが、
成功には結びつかず仕事を転々と変わっていた。
ある夜、同僚との飲み会でセクハラ相手に頭から酒をかけてしまった。
すると突然、首を言い渡されてしまう。
これまで彼女がどれだけ頑張ったのかは、評価として認められていなかったのだ。
親友のルームメイトであるローズ(ジュリエット・エリス)相手に愚痴をこぼしていた彼女は
自分たちで職業斡旋所を開くことは出来ないかと思いついた…

職業斡旋所を経営する主人公アンジーを中心に、英国における移民たちの状況を描いた作品です。
移民たちの置かれた悲惨な状況と
お金のために少しずつ道を踏み外していくアンジーの姿に哀しくなってしまいました(T_T)

アンジーはとても向上心の強い女性です。
ブルーカラーでこつこつ真面目に働いてきた父の姿を見て感じたのは、
真面目に働いていても貧乏から抜け出せなかったということ。
彼女は常に仕事と給料に不満を持ち、仕事を転々としています。
口煩い母は仕事を変わってばかりの娘の顔を見るたびに小言を言ってばっかりだし、
優しく見守る実直な父も困った顔をしてしまう始末。
そんな両親たちを尻目に、アンジーは意地でも成功して見せようと頑張ります。

今度こそとアンジーが始めた職業斡旋所は、なかなか順調に運営されていきます。
相手は必死に仕事を求めて外国からやって来た男たち。
彼らは低賃金で重労働をさせられつつも、家族を抱えて懸命に働いています。
でも、そんな彼らを裏切るアクシデントが起こってしまいます。
それはアンジーのせいではないのですけど、彼らの不満はアンジーへと向かっていきます…

主人公のアンジーは、本当は優しい女性です。
仕事にも就けずにとても辛い暮らしをしているイラン人一家を、衝動的に連れて来て
自分の家に泊めてあげたりもします。
でも、彼女はアクシデントの穴を埋めるために必死になり、そんな優しさも無くして
どんどん非情な行動を取るようになっていきました(T_T)

彼女がもう戻れない道を歩み始めた時、彼女の未来に幸せはあるのかなあとため息をついてしまった1本です。

hitsuji_It's-A-Free-World.jpg

監督:ケン・ローチ 出演:キルストン・ウェアリング ジュリエット・エリス レズワフ・ジュリック
2007年 イギリス/イタリア/ドイツ/スペイン 原題: It's A Free World...
(080813)

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たいちさん

移民労働者を扱った社会派映画のようですね。日本ではないので感覚的には分かり辛いですね。大阪は11月公開予定ですので、機会あれは観たいですね。
by たいちさん (2008-08-18 15:20) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
とてもリアルで見応えのある作品でした~
主人公の考えていた「自由」とは何かを考えさせられました。
もし、機会がありましたら、観てみてくださいね☆
by non_0101 (2008-08-19 00:32) 

non_0101

アートフル ドジャーさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2008-08-30 12:30) 

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