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ブタがいた教室 [は行]

小学校でブタを飼ったという実話を元に作り上げたドラマです。
子供たちの行動や話し合いは、ほとんどドキュメンタリーのような迫力が漂っていました~

4月。新任で6年2組を担任することになった星先生(妻夫木聡)は、教室に子ブタを連れて来た。
先生は子供たちに子ブタを見せながら「みんなで育てて最後には食べてしまおう」と笑顔で提案する。
子供たちは喜んで提案を受け入れ、子ブタの可愛さに教室は沸き立った。
その後、毎日みんなで苦労しながら育てていく中で、子ブタは“Pちゃん”と名付けられ
すっかりみんなのペットとして可愛がられるようになる。
6年2組の1年間の思い出がPちゃんと共に積み重なり、段々と卒業の時が近付いてきた。
だが、どんなに話し合いをしても、Pちゃんをどうするかの結論を出せなくなっていた…

子供たちの繰り広げる鋭い意見の応酬をドキドキしながら見守っていました(^^ゞ

最後には食べる目的で飼い始めた子ブタのPちゃん。
でも、子ブタに名前をつけた時点で、Pちゃんはただの家畜ではなくペットになっていきます。
一緒にサッカーをしたり花火を見たり…
教室に貼られているみんなの絵にはPちゃんの姿がどこかに描かれています。
それだけ子ブタは子供たちにとってかけがえの無いものになっていきました。

でも卒業したら、これまでのようにPちゃんを飼うことは出来ません。
しかも子ブタの頃の面影はなく、大人が複数いないと太刀打ちできないほどに大きく育っていました。

食べるか、食べないか。
Pちゃんを下級生へ託すか、食肉の業者へ渡すか。
みんな本気で悩み、泣きながら一生懸命に討議していきます。
そのシーンは子供たちが真剣なだけに、観ている方も真剣に引き込まれてしまいます。
「命の長さは誰が決めるの?」
「殺すことと食べることは違う」
「自分たちで飼い始めたのだから、自分たちで決着をつけなければ」
可哀想という意見が飛び交う中で、そんな感情を越えた言葉も出てくることに驚くと共に
やっぱり子供って凄いなあとしみじみ思ってしまいました。

それにしても本当にブタを飼った先生がいたのですよね~
食べるということ。命とは何か。
そんなテーマをここまで真剣に考えた小学生たちはなかなかいないでしょう。
先日、この映画の元になったクラスの生徒だった女性のドキュメンタリーをちょっとだけ観ました。
彼女は小学校の先生となり、生徒たちに当時の自分たちの映像を見せながら
命や食について考えさせているのだそうです。
こんな凄い教育が継承されていることに感動でした。

Pちゃんをどうするか。最後に子供たちと先生の出した結論に納得の1本です。

hitsuji_buta-go-ita.jpg

監督:前田哲 出演:妻夫木聡 田畑智子 原田美枝子 6年2組の26人
2008年 日本
(20081127)

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コメント 13

たいちさん

この映画の結末は知りませんが、豚を飼った先生は、子供達自身が真剣に命を考える「機会教育」を目的としたように思いますね。
by たいちさん (2008-11-28 13:49) 

non_0101

takemoviesさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
by non_0101 (2008-11-29 09:59) 

non_0101

たいちさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
命と食というのは考えれば考えるほど重いテーマですけど
生徒たちは命あるものを大切に思える心を得られたと思いました。
この作品、小学生の子供たちには必見かもです☆
by non_0101 (2008-11-29 10:06) 

キキ

こんにちは。
この授業を体験した子供達は今は27歳くらいだから、
なかにはお父さんやお母さんになってる人もいるかもねって
一緒に観た友人と話しながら帰りました。
そうですか、小学校の先生になっている人もいるんですね。
学ぶ側から教える側になったらどんな風に伝えるのか、命と食の問題って難しいです。
私も一緒に考えさせられた映画でした。

by キキ (2008-11-29 19:18) 

non_0101

キキさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
いろいろ考えさせられる作品でした~
一番感じたのは、答えを出すのではなく考えることこそが大切ということ。
悩むだけで、見方が変わります。
この子達が子供を持つようになったら、
きっと子供と一緒に悩んでくれる親になってくれるかもですね☆
by non_0101 (2008-12-01 01:28) 

cs

途中のディベートのシーンは、演出じゃない生の迫力で、ついつい夢中で子どもたちの顔とその真剣な言葉を追いかけちゃいましたね。
すごいなぁと、改めて思います。
誠実にこのエピソードを映画にしてくれて、それを観ることが出来てよかったと思いました。
あんまり肩肘張らずに、いろんな人に観て欲しい作品ですね。
by cs (2008-12-03 21:58) 

non_0101

csさんへ
こんばんは。nice&コメント&TBをありがとうございました!
子供たちが泣きながら真剣に訴える姿は忘れられませんね~
答えが無い問いかけだからこそ必死に考える姿に胸が熱くなりました。
私も本当に観て良かったと思いました。
当時のドキュメンタリーももう一度見てみたいです(^^)
by non_0101 (2008-12-03 23:43) 

coco030705

こんばんは。
すごい授業ですよね。これこそ本当の勉強ですね。
人間とはなんだ、「食べる」とはどういうことなのか、
ほんとに様々なことを考えさせてくれる授業、こんな授業を
受けられたら、子供たちも変わっていくでしょうね。
これを本当に実践した先生はすばらしいと思いました。
by coco030705 (2008-12-04 02:48) 

non_0101

cocoさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
生き物を身近に感じられる環境では暮らせない子供たちにとって
友達のPちゃんを食べるかどうかなんて、本当に衝撃的な問いかけです。
当時は賛否両論があったらしいですけど、
今、映画としてみても、やっぱり素晴らしい授業ですよね☆
by non_0101 (2008-12-04 22:55) 

バラサ☆バラサ

教え子が、豚の飼育はできないまでも、ビデオでその教育を継承しているのですか。素晴らしいことです。
by バラサ☆バラサ (2008-12-06 13:57) 

non_0101

バラサ☆バラサさんへ
こんばんは。お返事が遅くなってすみませんm(__)m
nice&コメント&TBをありがとうございました!
素晴らしいですよね~
これからもずっと続けて言って欲しい授業だなと思いました☆
by non_0101 (2008-12-08 20:34) 

みつかこねか

Nonさん、おめでとうございます!
本年もよろしくおねがいします。
妻夫木くんの教師役もなかなかのものですね。
大河の主役ですから、正念場の一年ですね。
Pちゃんを食べる・食べないの子供たちの論争のような
話し合いは、迫真的でとても見ごたえがありました。
でも「Pちゃん」と名前をつけた時点で、
情が移ってダメだったんですよね!
トータス松本の生歌付きで1,000円は最高でした!

by みつかこねか (2009-01-03 19:27) 

non_0101

みつかこねかさんへ
こんばんは。今年もよろしくお願いいたします。
私も映画祭で観たかったのですけど外れました(^^ゞ
この作品はきっと監督さんや出演者の意見を聞くと
もっと深く理解できる作品ですよね~
by non_0101 (2009-01-04 21:50) 

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