SSブログ

イエスタデイズ [い]

本多孝好の短編小説を映画化した作品です。
ギンレイホールで上映されていたので観て来ました。
ちょっと不思議なタイムスリップものです。予想以上に心に響くファンタジーでした。

聡史(塚本高史)は父(國村隼)の見舞いに海辺のホスピスへと向かっていた。
ファミレスのチェーン店を経営する父と会うのは3年ぶりで、激しい喧嘩をして以来だった。
実は父から“癌のため余命僅か。話がある”という内容の電報を受けて仕方なくやってきたのだ。
父の話というのは、まだ学生時代に恋人だった女性とその子供を探し出して欲しいという依頼だった。
何故、自分が!?と反抗する聡史だったが、父が描いたスケッチブックの絵を見て考え直す。
手掛かりは、彼女の名前と昔住んでいたアパートの住所、そして彼女の親友の名前だけ。
スケッチブックを片手に、そのアパートへと向かった聡史は
スケッチブックに描かれたアパートの鮮明さに目を奪われた…

登場人物たちの歩いた道をたどりながら
“自分の人生を決める”瞬間を優しい視線で描いたファンタジーでした。

聡史は父の昔の恋人を探しながら、32年前にタイムスリップしていきます。
そして現在の父とは全く別人のように明るく、芸術家の道を目指していた若き日の父と出会います。
絵を愛する父とピアノを愛する恋人。
二人は才能もあり、未来を共に歩んでいくと思っています。
こんなに仲睦まじい二人がなぜ別れなければならなかったのかが、時間を追うごとに明らかになってきます。

聡史は仕事人間の父よりも若い頃の父の方がとても魅力的に感じます。
二人と友達になり、二人を応援し、何とか別れさせないようにと二人の心に呼びかけます。
でも、彼はアウトサイダーでしかありません。
二人の未来を決めるのは、彼らなのです。
聡史の気持ちは彼らに届いても運命を変えることは出来ません。
でも、彼は二人と出会って自分を見つめ直し、人生や一生をかける仕事について考え始めました。

それにしても役者が揃っている作品でした~
聡史役の塚本高史さんは反抗的な息子にぴったり。そして、父役の國村隼さんはさらにぴったりです。
また若き父の役を演じていた和田聰宏さんと恋人役の原田夏希さんは表情も演技も素敵で本当に素敵でした。

反抗的な息子と音楽や絵画に夢を抱いた若い恋人たち。
自分の決めた将来へと向かう彼らの、人生の岐路で見せた瞳の強さがとても心に残った1本です。

hitsuji_yesterdays.jpg

監督:窪田崇 出演:塚本高史 國村隼 和田聰宏 原田夏希 風吹ジュン
2008年 日本
(20090216)

追伸
DVDは来月の3月25日発売です。

追伸2
数年ぶりにギンレイホールへ行ってきました(^^ゞ
金曜日まで「イエスタデイズ」と「トウキョウソナタ」の2本立てで、珍しく両方とも未見だったので
挑戦しようと思ったのですが…
1本目の「イエスタデイズ」を観て終わりにしてしまいましたm(__)m
やっぱり2本連続は体力的にキツイです(笑)
「イエスタデイズ」が予想以上に優しい気持ちになる素敵な作品だったので、
その後に「トウキョウソナタ」の世界に入るのは辛いなあと(^^ゞ
「トウキョウソナタ」は来週に豊洲で上映されるので、時間があったらチャレンジしたいなあ…

nice!(2)  コメント(3)  トラックバック(2) 

nice! 2

コメント 3

non_0101

xml_xslさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2009-02-17 13:45) 

たいちさん

素晴らしい、夢のあるストーリーですね。父と息子の危うい関係は、現在にも通じますね。
by たいちさん (2009-02-18 15:53) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
“タイムスリップ”の部分がSFよりはファンタジーっぽいので
好みは分かれそうですけど、とても優しい余韻の残る作品でした。
いい役者さんが揃っていて、落ち着いた演技をじっくりと見せてくれました☆
by non_0101 (2009-02-18 23:54) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

ディファイアンス007/慰めの報酬 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。