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津軽百年食堂 [た行]

現在の東京と明治の弘前を交差させながら、仕事と人生に悩みながらも
自分の道を見つけていく若者の姿を描いた作品です。
弘前が舞台の作品は観たことがなかったなと気になっていました。
登場人物が多くて物語がきちんとしていたので、予想よりも興味深く観られる作品でした。

フリーでバルーンアートの仕事をしている大森陽一(藤森慎吾)は
結婚式場の仕事で不愉快なカメラマンと出会う。
そのカメラマン、筒井七海(福田沙紀)は写真を撮りながら
彼の商売道具である飾り付けてあったバルーンをどんどん踏みつけて割ってしまったのだ。
しかも、写真を撮ること夢中で陽一にフラッシュが当たって眩しくなっても気にしないありさまだ。
その日の仕事が終わった頃、ようやく事態に気付いた七海が陽一に謝りに来た。
いいよと彼女に軽く答えていた陽一だったが、去ろうとしたときに
七海の機器のコードに引っかかり、逆に彼女のライトを壊してしまった。
1個5万円のライトを2つも壊してしまった陽一は
七海へ弁償の代わりに賃貸住宅のルームシェアを提案した…

夢を掴むために東京で働いていた若者が、父の入院をきっかけに家業の良さを知り、
自分の希望として弘前へ帰るまでを描いた青春物語です。
ささやかな人生の中にも歴史があるのだなとしみじみ感じるような作品でした。

ストーリーは明治と現在を交互に描きながら進んで行きます。
明治の時代は主人公陽一の曽祖父・大森賢治(中田敦彦)の物語です。
折りしも日露戦争後で日本中が景気に沸いている時、足の怪我のために
戦争へ行かなかった賢治は屋台で細々と蕎麦屋を開いています。
そこでは大人しくて不器用な彼と若い未亡人との心の交流や
人気の蕎麦の誕生が丁寧に描かれていました。

一方、現在の物語では将来に悩む陽一と七海の物語が描かれています。
偶然に出会った二人ですけど、実は同郷だということが分かります。
しかも陽一の実家は津軽そばで有名な“大森食堂”、
七海の実家は“筒井写真館”とお互いの実家を知っているほどでした。
二人とも現在の自分の状況に不安を持っています。
仕事ではそこそこキャリアを積んできて認められ始めていますけど
どちらもフリーで将来は未確定です。
そんな中、それぞれの人生を揺るがす出来事が起きてしまいます。
そこから彼らは自分の将来を見つめ直しはじめました。

それにしても美しい桜でした~
一番のエピソードは“桜まつり”への大森食堂の出店なのですけど
そのお祭りを彩る桜がほんとうに綺麗で、この桜たちをスクリーンで観られて嬉しかったです。
この美しい桜があってこその作品でしたね。
物語も優しい視線で描かれている上にいろいろな展開があって見やすいなと感じました。

とても日本を感じさせる作品でした。
久々に落ち着いた気持ちになれる作品に出会ったなと感じた1本です。

hitsuji_tsugaru.jpg

監督:大森一樹 出演:藤森慎吾 中田敦彦 福田沙紀 ちすん 永岡佑 前田倫良 伊武雅刀 大杉漣 藤吉久美子 手塚理美 早織
2011年 日本
(20110421)

→公式サイトはこちらへ http://tsugaru100-movie.com/


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コメント 16

KLY

正直オリエンタルラジオに余り期待はしてなかったのですが、
思ったよりも良かったです。
家業を引き継ぐって最近ベタ過ぎてあまりないお話ですが、
ご当地映画としては普通にありなんでしょうねぇ。
津軽蕎麦って柔らかめらしいですけどどんなんなんでしょう。
一度食べてみたいです(笑)

撮影した港が被災されたそうですね…
by KLY (2011-04-23 20:05) 

non_0101

KLYさんへ
こんばんは。コメント&TBをありがとうございました!
天気と時間で選んだ作品だったので私もあまり期待していなかったのですけど、
思っていたよりも面白かったです。
オリエンタルラジオの二人も監督さんに良さを引き出してもらっていましたね。
二人ともキャラクターにぴったりで良かったです(^^ゞ
撮影した港が被災されてしまったのですか(T_T)
せめて、この映画を観て元気を出して欲しいですね☆
by non_0101 (2011-04-23 20:13) 

たいちさん

ストーリーを読んでいて≪1個5万円のライトを2つも壊してしまった陽一は七海へ弁償の代わりに賃貸住宅のルームシェアを提案した≫という部分が妙に引っかかりましたね。
弘前は桜の名所ですので、一度は行きたいと願っています。
by たいちさん (2011-04-24 00:15) 

non_0101

たいちさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
そうそう、そこはちょっと不思議な展開ですよね(^^ゞ
弁償の代わりに家賃を1か月分ただにするからということでした。
やっぱり七海も男と女なのにと抵抗はしてましたけど、
逆に陽一は七海のことを全く女性として気にせずにいたので
結局、仲の良い同居人になってました。
そういう関係って面白いですね☆
by non_0101 (2011-04-24 00:37) 

non_0101

nanamamaさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 00:38) 

non_0101

りぼんさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:13) 

non_0101

@ミックさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:13) 

non_0101

yayu-changさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:13) 

non_0101

nagapenangさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:14) 

non_0101

yu-papaさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:14) 

non_0101

そらさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-24 23:15) 

coco030705

こんにちは。
よさそうな映画ですね。今の時期ですから、こういうホッとするような
映画が観たい気がしますね。
by coco030705 (2011-04-25 18:41) 

non_0101

cocoさんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
弘前の美しい自然と共に描かれていて、落ち着いて見られる作品でした。
特に美しい桜の映像が良かったです。
本当にほっとしました☆
by non_0101 (2011-04-26 00:00) 

non_0101

なぎ猫さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-26 22:58) 

non_0101

まっきーさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-04-26 22:59) 

non_0101

artfuldodgerさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2011-05-01 23:07) 

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