フクシマ・モナムール [は行]
偶然に出会った二人の女性たちの心の再生を、現在の福島を舞台に描いたヒューマンドラマです。
桃井かおりさんが出演していてベルリン国際映画祭で話題になったので、どんな作品だろうと気になっていました。
モノクロで綴られる物語は、ちょっぴり幻想的に人の心に残る哀しみと痛みを映し出していきました。
辛い過去から未来へと向かっていく力がゆっくりと伝わって来ました。
結婚式の直前で恋人に去られたマリー(ロザリー・トーマス)は、哀しみを忘れようと日本へと旅立ちました。
道化師として震災の被災者を励ますために、福島へ向かうことにしたのです。
人が無表情に行き交う新宿で仲間と待ち合わせた彼女は、
早速、新幹線へ乗り込み仮設住宅の人々へ会いに行きました。
仮設住宅に住むお年寄りたちは、みんなでマリーと仲間たちを歓迎してくれます。
でも、マリーが芸を見せても反応はあまりありません。
一方、仲間が芸を見せると、みんな楽しそうに笑っています。
そんな差を見せ付けられたマリーは、自分の不甲斐なさにやりきれない気持ちになっていきました。
ある朝のこと。仮設住宅に住む人々の中でもマリーの芸に辛辣な反応を見せていたサトミ(桃井かおり)が
マリーの部屋を訪ねるなり、彼女に自動車の運転が出来るかと尋ねてきました。
出来ると答えた彼女にサトミは車のキーを渡すと、運転して欲しいと言います。
仕方なく車を出したマリーにサトミが示したのは、まだ立ち入り禁止地区になっている彼女の家への道でした。
それにしても、ちょっと不思議な雰囲気の作品でした。
ウェディングドレス姿で哀しむマリーは、どうして婚約者に去られてしまったのか。
新宿の雑踏に佇む猫の被り物の人は何の象徴なのか。
そして、芸者で自分の芸を誰かに伝授したいと願っているサトミは、なぜ幽霊に酷く怯えるのだろうか。
そんな謎が散りばめられていきます。
そして、その答えに近付いた時、主人公たちの抱える哀しみの正体も見えて来ました。
面白かったのは、サトミがマリーへ正座の大切さやお茶の飲み方を教えるところです。
立て膝のマリーに本気で行儀が悪いと叱り、茶器の使い方からお茶の味わい方まで何度も教えようとします。
最初は仕方なくサトミの言う事をきいていたマリーでしたけど、
やがて美味しそうにお茶を飲む姿はちょっと可愛かったです。
そんな二人の姿を観て、何かを伝えることと何かを受け取ることは、
どちらも小さく固まった心を柔らかくしていくのかも知れないなと感じました。
当時の水が溢れていく映像は、ほんの少しでもやっぱりドキッとさせられましたけど、
そんな大変さを乗り越えて今を生きるみなさんの姿は印象に残りました。
観終った時、桃井さんの演技はさすがだなあとしみじみと思ったと同時に、
早く被災者のみなさんがこの仮設の家から出て、もっと幸せな暮らしが出来ますようにと願った1本です。
監督:ドリス・デリエ 出演:ロザリー・トーマス 桃井かおり モシェ・コーエン 鎌田菜美
2016年 ドイツ 原題:GRUSSE AUS FUKUSHIMA
→ドイツ映画祭「HORIZONTE」のサイトはこちらへ https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20831745
追伸
この映画はドイツ映画祭HORIZONTEで観ました。公開予定は未定です。
桃井かおりさんが出演していてベルリン国際映画祭で話題になったので、どんな作品だろうと気になっていました。
モノクロで綴られる物語は、ちょっぴり幻想的に人の心に残る哀しみと痛みを映し出していきました。
辛い過去から未来へと向かっていく力がゆっくりと伝わって来ました。
結婚式の直前で恋人に去られたマリー(ロザリー・トーマス)は、哀しみを忘れようと日本へと旅立ちました。
道化師として震災の被災者を励ますために、福島へ向かうことにしたのです。
人が無表情に行き交う新宿で仲間と待ち合わせた彼女は、
早速、新幹線へ乗り込み仮設住宅の人々へ会いに行きました。
仮設住宅に住むお年寄りたちは、みんなでマリーと仲間たちを歓迎してくれます。
でも、マリーが芸を見せても反応はあまりありません。
一方、仲間が芸を見せると、みんな楽しそうに笑っています。
そんな差を見せ付けられたマリーは、自分の不甲斐なさにやりきれない気持ちになっていきました。
ある朝のこと。仮設住宅に住む人々の中でもマリーの芸に辛辣な反応を見せていたサトミ(桃井かおり)が
マリーの部屋を訪ねるなり、彼女に自動車の運転が出来るかと尋ねてきました。
出来ると答えた彼女にサトミは車のキーを渡すと、運転して欲しいと言います。
仕方なく車を出したマリーにサトミが示したのは、まだ立ち入り禁止地区になっている彼女の家への道でした。
それにしても、ちょっと不思議な雰囲気の作品でした。
ウェディングドレス姿で哀しむマリーは、どうして婚約者に去られてしまったのか。
新宿の雑踏に佇む猫の被り物の人は何の象徴なのか。
そして、芸者で自分の芸を誰かに伝授したいと願っているサトミは、なぜ幽霊に酷く怯えるのだろうか。
そんな謎が散りばめられていきます。
そして、その答えに近付いた時、主人公たちの抱える哀しみの正体も見えて来ました。
面白かったのは、サトミがマリーへ正座の大切さやお茶の飲み方を教えるところです。
立て膝のマリーに本気で行儀が悪いと叱り、茶器の使い方からお茶の味わい方まで何度も教えようとします。
最初は仕方なくサトミの言う事をきいていたマリーでしたけど、
やがて美味しそうにお茶を飲む姿はちょっと可愛かったです。
そんな二人の姿を観て、何かを伝えることと何かを受け取ることは、
どちらも小さく固まった心を柔らかくしていくのかも知れないなと感じました。
当時の水が溢れていく映像は、ほんの少しでもやっぱりドキッとさせられましたけど、
そんな大変さを乗り越えて今を生きるみなさんの姿は印象に残りました。
観終った時、桃井さんの演技はさすがだなあとしみじみと思ったと同時に、
早く被災者のみなさんがこの仮設の家から出て、もっと幸せな暮らしが出来ますようにと願った1本です。
監督:ドリス・デリエ 出演:ロザリー・トーマス 桃井かおり モシェ・コーエン 鎌田菜美
2016年 ドイツ 原題:GRUSSE AUS FUKUSHIMA
→ドイツ映画祭「HORIZONTE」のサイトはこちらへ https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20831745
追伸
この映画はドイツ映画祭HORIZONTEで観ました。公開予定は未定です。
ryo1216さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:16)
やってみよう♪さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:16)
りんこう さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:16)
たいち さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:16)
tommy88 さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
KINYAN0829 さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
sugoimono さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
AKI さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
夢の狩人 さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
てんてん さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:17)
つむじかぜ さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:18)
ちょんまげ侍金四郎 さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:18)
enosan さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:18)
キキ さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:19)
ハマコウ さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:19)
アルファルハ さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:19)
SORI さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:19)
はじめてのDORAKEN さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-10-23 00:19)
タイトルがグッと来る。
ご存知と思いますが、昔原爆をテーマにしたヒロシマモナムールって映画ありましたが、それのオマージュなんですね。
なんか対になってるような感じがして好きです。
by ta74382 (2016-11-02 23:42)
ta74382さんへ
こんばんは。nice&コメントをありがとうございました!
「ヒロシマモナムール」はタイトルしか知らないのですけど、いつか観てみたい作品です。
「フクシマ・モナムール」はちょっと不思議な雰囲気のある作品でした。
日本文化への想いが伝わってくるような気がしました☆
by non_0101 (2016-11-05 19:58)
beamuseさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-11-05 20:02)
hana2016さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-11-05 20:02)
C_BoYさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2016-11-11 22:38)