SSブログ

象の背中 [さ行]

秋元康氏の同名小説を映画化した作品です。役所広司さんの演技が印象的でした~

毎日仕事で忙しい日々を送っている藤山(役所広司)は、病院で受けた検査で肺に癌が見つかってしまう。
転移をしていて手の施しようがなく余命半年と言われた彼は病気を誰にも伝えず、
延命治療を受けずに動けるまでこれまでの生活を続ける決心をした。
大学生の長男にのみ男同士の秘密の約束として妻と娘の力になるように伝え、身辺整理を始める。
そして彼は長年会っていなかった人々を訪ね、最後の別れを告げ始めた…

なんだか、う~ん…と考えてしまいました。
末期癌とどのように向かいあって生きるか… その一つの選択が描かれています。
主人公の選択は秘密にして、延命治療をしないことでした。
出来る限り自分というものを保ったまま生きたいと願ったのです。
途中、お医者さんにも言われるように、治療をしないことは厳しい選択でもあります。
それでも彼はその意志を貫き、最後はホスピスで家族に看取られながら息を引き取りました。

最初は笑顔で病気に対していた主人公でしたけど、病状が悪化するにつれて精神的にも辛くなってきます。
でも彼は本音で弱みを見せられる人がいないのです。
愛されている家族にも優しい愛人にも、今の状態を納得している顔でしか接するが出来ません。
唯一本音を語れたのは、10年以上も会っていなかったお兄さんでした。
そういうふうにしないと自分を支えられないのだろうと思いつつも、なんだか寂しいなと感じました。

それにしても役所広司さんの迫力はすごかったです。
病気が悪化するにつれて、どんどん背中が小さくなっていきます。
特に最後に家族を見つめる眼力は、身体が小さくなっている分だけ強さを増しているようで怖いくらいでした。
また、お兄さん役の岸部一徳さんがとてもいいお兄さんを演じていて素敵でした。
あと、少ししか出てこないですけど、主人公が会った人々の中で笹野高史さんの演じた役は
一瞬で人間というものを見せられた気がして、すごくインパクトがありました~

全体的には悪いとは思わないのに、何故か釈然としない気がしたのはなんでだろうな…
愛人がいるから?みんな良い人過ぎる気がするから?とかいろいろ考えてしまった1本です。

監督:井坂聡 出演:役所広司 今井美樹 井川遥 岸部一徳
2007年製作 日本
(071009)


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(8) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 2

バラサ☆バラサ

釈然としないですよねー。
テーマが拡散していて。

わたしは、昔の友人に会いまくり、人生の清算というと言葉悪いか。人生を振り返る話だと勝手に思い込んでいました。
by バラサ☆バラサ (2007-11-09 02:48) 

non_0101

バラサ☆バラサさんへ
こんにちは。nice&コメント&TBをありがとうございました!
> 釈然としないですよね
そうなのです~!どうも感情移入できないのです。何ででしょう…
そういう意味でも、考えさせられてしまいました(^^ゞ
by non_0101 (2007-11-10 13:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 8

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。