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ベティの小さな秘密 [は行]

1960年代の田舎を舞台に描いた10歳の少女の物語です。
少女の不安定な心の揺らぎが細やかに描かれていて素敵な作品になっていました(^^)

ベティ(アルバ=ガイア・クラゲード・ベルージ)は10歳の女の子。
田舎にある精神病院の院長をしている父、ピアノが上手な母、歳の近い姉と4人で
病院の隣にある屋敷に住んでいる。
ある日、彼女は姉と住む人のいなくなった屋敷へ冒険しに来たが
急に扉が開く様子を見て怖くなり、あわてて逃げ帰ってきてしまう。
ベティは明日も行こうと姉を誘うが、姉は明日から寄宿舎学校へと行くことになっていた。
一番の友達だった姉がいなくなってしまいベティは裏切られて気持ちになってしまう。
しかも母までもがピアノの夢と恋人を求めて家を出て行ってしまった。
そんな不安な状態に置かれてしまったベティが学校へ行こうと納屋へ自転車を取りに行くと
隣の病院から逃げてきた患者の青年が木陰に隠れているのを見つけてしまった…

ファンタジーではないけれど、ちょっと懐かしい風景と鮮やかな赤が印象的な作品になってしました。
ベティの優しさと賢さ、そして不安に怯える心がじわっと伝わって来ました~

ベティは10歳の女の子なのですけど、語る言葉はかなり賢くて冷静です。
彼女にとって姉は肉親以上の友達、父は見かけ以上に複雑な人、母は家へ戻ってこないと
とてもシビアに分析しています。
しかも姉と母は家の外の世界へ行ってしまい、父は母との関係や病院の問題を抱えて
ベティの気持ちを汲み取る余裕はありません。
そんな孤独を感じていた彼女が病院を逃げ出した青年イヴォンと出会います。

イヴォンは病状が重く、膝を抱えて丸まっているばかりの青年です。会話も上手く出来ません。
でも、ベティはそんな彼に「私が守ってあげる」とやさしく言って納屋に匿うようになります。
そして、家族と疎遠になってしまったベティの言葉に唯一無邪気な視線を向けてくれる青年に
家族のことや自分の気持ちを語りかけていきます。
そんなベティとイヴォンの純粋な絆がとても優しく感じられました。

それにしても赤いコートを着たアルバ=ガイアちゃんはベティにぴったりでした~
ベティが初めて感じる家族や友達のいない孤独感や
漠然と人生に横たわる死というものへの不安に怯えてしまうベティの心を
真っ直ぐな視線で演じていました。本当に彼女あってこその作品ですね。

観終わった時、こんな素敵で可愛い作品に出会えて良かったなあと思った1本です(^^)

hitsuji_bety-no-himitsu.jpg

監督:ジャン=ピエール・アメリス 出演:アルバ=ガイア・クラゲード・ベルージ バンジャマン・ラモン ステファーヌ・フレス ヨランド・モロー
2006年 フランス 原題:JE M'APPELLE ELISABETH/CALL ME ELISABETH
(20081001)

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コメント 3

たいちさん

ジワーと心の奥に沁みるような映画ですね。さすがフランス作品らしいですね。
by たいちさん (2008-10-06 10:51) 

non_0101

xml_xslさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました!
by non_0101 (2008-10-06 12:39) 

non_0101

たいちさんへ
こんにちは。nice&コメントをありがとうございました!
本当にフランス映画っぽい、とても雰囲気のある作品でした。
実は2007年のフランス映画祭で上映された作品らしいです。
その時に観たかったなあと思ってしまいました(^^ゞ
by non_0101 (2008-10-06 12:42) 

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