SING FOR DARFUR シング・フォー・ダルフール

バルセロナのある1日をドキュメンタリータッチで映し出しながら、ダルフールを取り巻く現状を描いた作品です。
so-netブログ「ナニミル？～DVD日記」のKenさん主催の上映会に参加させていただいて観て来ました。
様々な人々の言葉から少しだけ見えてきたダルフールは、想像を絶する悲惨な現状に陥っていました。

スーダンのダルフール紛争をテーマにした作品です。
ただし、舞台は多種多様な人種が集う大都会バルセロナ。
人々は携帯電話を片手に早足で歩き、自分の利益以外のことには全く無関心です。
それは人の死を見ても同じ。自分に関係ない人は例え瀕死の状態でも無視して過ぎ去ります。
そんな人々がバトンを繋ぐようにどんどん入れ替わりながら、
少しずつ観ている者へとダルフールの情報が伝えられていきます。

物語は交通渋滞から始まります。
渋滞の原因は100万人を集客する大規模なチャリティライブが開催されるためです。
ライブの目的はダルフールの救済。
そのためか、街の人々も少しだけはダルフールへの関心を持っています。
でも、ほとんどの人は無関心だし、関心を持った人もマスコミが大げさに騒ぎ立てているだけと思っています。
ライブの音楽だけを楽しみたい人やライブで金儲けをしている人など、
ライブに関わっている人でさえも、ダルフールの現状は知らないという人も多いのです。
そんな姿は自分も含めた大多数の人々の姿を映し出しているようだと感じました。

ダルフールとは何か。この作品を見ても詳細は分かりません。
そこがスーダンにある地域の名前で、そこではとんでもない虐殺が起きているということが
人々の言葉の端々から伝わってくるだけです。
でも、そこで起きていることがあまりにも現実離れしているためなのか、
チャリティライブが身近で開催されるのに街の人々は無関心なままなのです。

無関心なほど怖いものはないです。
それはいじめにあっている人をいじめてはいないけど助けもしないというようなものです。
その無関心の中で、ダルフールでは罪の無い人々の命が毎日のように奪われています。
過去のことではなくて、その虐殺は現実にも続いています。
その事実を知ると、事実のあまりの大きさにいったい何ができるのだろうかと、心に焦りを感じ始めます。
そして、自分の力の小ささに無力感を感じてしまいます。
そんな中で観ている者の心の救いになるのは、祈りを込めたひとつの歌でした。

それにしても興味深い作品でした～
街の映像があまりにもめまぐるしくて、最初はどうしよう、付いて行けるかな！？と思っていたのですけど
次第に慣れていくうちに、人々の無関心さが段々と怖くなってきます。
そして、ラスト近くで一人の女性が言ったダルフールの現状には、
言葉だけなのに本当にぞっとさせられました(T_T)

家に帰って、改めてネットでダルフールのことを調べてみました。
この映画に出会うまで全く知らなかったダルフールのことを知ることが出来て良かったと思うと同時に
ダルフールの悲劇を生み出している連鎖と狂気がいつか終わることはあるのだろうかと考えてしまった1本です。



監督：ヨハン・クレイマー　出演：ペール・モリナ　メリーナ・マシューズ　ビッキー・ペーニャ
2007年　オランダ/スペイン　原題：Sing for Darfur
（20100213）

映画公式ホームページ
www.plusheads.com/singfordarfur/

コメント 25

一緒に空間を楽しめてよかったです。
次はぜひ二次会まで。。。
ダーリンによろしく。
by **feeling** (2010-02-14 16:00) 

feelingさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
久々にfeelingさんの笑顔が見られて良かったです(^^)
次はぜひ二次会にもチャレンジしたいです☆
by non_0101 (2010-02-14 16:20) 

ヨイ作品でしたね
モットタクサンの人に見てもらいたいです
kenさんにカンシャです
次回は、タクサンお話できることを楽しみに・・・

by 魚河岸おじさん (2010-02-14 17:52) 

私も記事にしたものの上手く書けず、、、でしたが
non_0101さんの記事をみて「そうそう！」と連呼しました。。。
座席が離れていたのできちんとお話もできませんでしたが、
いずれ何かの折に映画のお話を聞かせていただければと思います。
by うつぼ (2010-02-14 19:05) 

確か「SMOKE」の上映会以来だったでしょうか？
お元気そうで何よりでした。
僕が尊敬するある先生の言葉に、「無知は大罪、知は力なり」という言葉があります。
まさにそれを実感させる映画でした。
そしてもっともっといろんな人に観てもらえるといいなと、改めて思いました。
by ken (2010-02-14 22:35) 

aya_ruiさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-15 00:36) 

はっこうさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-15 00:37) 

魚河岸おじさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
とても考えさせられる作品でした。
宿題というか、もっとダルフールのことを知りたくなりますよね。
お先に失礼してしまってすみませんでしたm(__)m
今度はちゃんとお話できるようにします☆
by non_0101 (2010-02-15 00:41) 

うつぼさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
今回は映画しか参加できなかったのですけど、
次回にこんな機会がありましたら、お話したいですね。
ただし、私の頭の中は半分以上映画になってしまってます(^^ゞ
by non_0101 (2010-02-15 00:51) 

トメサンさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-15 00:52) 

kenさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
「SMOKE」の上映会以来でしたね。
今回も見ごたえのある作品を見せて頂いてありがとうございましたm(__)m
まずは知ることが大切なのですよね。
とりあえず、知って考えることから始めようと思いました。
静かに怖さを感じる作品でした☆
by non_0101 (2010-02-15 00:58) 

まっきーさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-15 01:10) 

おはようございます。
一昨日は、はじめまして　だったのに、あまりおはなしもできず残念。
また機会がありましたら、ぜひぜひ　よろしくお願いしますね。

nonさんが仰るとおり、怖いなと感じた作品でした。
惨殺シーンなんて一つもないのに、この作品の街の人々は、
そっくり私たちでした。
by クリス (2010-02-15 07:13) 

私もダルフール紛争を知りませんでしたので、ネットで調べました。一度読んだだけでは理解しがたい複雑な問題が絡んでいますね。日本では距離が離れているせいか、あまりマスコミが取り上げでいませんね。これを機会に、ダルフールについて注視したいと思います。
by たいちさん (2010-02-15 11:41) 

＠ミックさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-15 12:40) 

クリスさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
映画が終わったらすぐに帰ってしまってすみませんでしたm(__)m
何かの機会がありましたら、こちらこそよろしくお願いします！

大都会だからこその無関心さにじわじわと怖さを感じるような作品でした～
とりあえず、ちゃんと知らなきゃと思わされました☆
by non_0101 (2010-02-15 12:47) 

たいちさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
私も映画を見るまではこの問題を全く知りませんでした(T_T)
情報が無いですよね。
せめて、ちゃんと知っていこうと思うことが大切なのだなあと実感する作品でした☆
by non_0101 (2010-02-15 20:51) 

Travelerさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-16 06:46) 

webtrueさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-16 06:46) 

私もダルフールについて知ることはなかったのですが
non_0101さんのお陰で知ることが出来て、
こうして人づてに伝えられる事が
大きな力となって行くのでしょうね。
先ず、その為には現状を、その真実を知る事
それがどんなに大事なことか思い知らされました。
そして、いつの日か、ダルフールの人々に平和を…。ですね。
by aya_rui (2010-02-16 17:46) 

街の人たちは他人にほんとに無関心でしたね。死にそうになっている男の人も誰も助けてもらえなかったし・・・。
無関心になってしまいがちな自分に反省、でした。

by カオリ (2010-02-16 22:10) 

もうさっさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-17 12:56) 

ぶさいくたろうさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-02-17 12:56) 

aya_ruiさんへ
こんにちは。映画を観るまで知らなかった事実がこんなに凄いことなのかと
改めて怖くなる作品でした。
まずは知って考えることが大切なのだなとしみじみ感じました。
> そして、いつの日か、ダルフールの人々に平和を…。ですね。
本当に平和が速く訪れて欲しいですね☆
by non_0101 (2010-02-17 12:58) 

カオリさんへ
こんにちは。nice＆コメントをありがとうございました！
あの無関心さは自分にも当て嵌まるなあと感じました。
知らないことは罪でした～
by non_0101 (2010-02-17 13:00)