ベン・ハー

小説『ベン・ハー』の3度目の映画化でアカデミー賞にて11部門を獲得した1959年の名作です。
これまで未見だったので“午前十時の映画祭”で上映されると知って楽しみに待っていました。
スクリーンで観る戦車競技のシーンは半世紀が過ぎた今でも迫力でした！

キリストの誕生から26年後の世界は強大なローマ帝国に支配されていた。
ジュダ＝ベン・ハー（チャールトン・ヘストン）の住むユダヤの国エルサレムでは
ローマから新総督が赴任することとなった。
総督赴任に先駆けてやって来た司令官を見たベン・ハーは喜びの笑顔を浮かべる。
その司令官はローマ人とユダヤ人という間柄ながら親友となった
幼馴染のメッサーラ（スティーヴン・ボイド）だったのだ。
肩を抱き合い再会を喜ぶベン・ハーだったが、話しているうちにどこか違和感を受ける。
純粋だった昔とは違い今のメッサーラは、長い年月の間にローマの帝国主義者となっていて、
自分がこの土地を支配するために、ベン・ハーをユダヤ人密告者になれと命令してきたのだ。
その命令をきっぱりと断った二人の間には大きな溝が出来てしまった…

一筋縄では行かない運命でした。

一人の男の数奇な運命をキリストとからめて描いた物語です。
主人公のベン・ハーはエルサレムではユダヤの豪商で土地の有力者だったのですけど、
親友だったメッサーラに裏切られ、事故だったのに重罪の罪人とされてしまいます。
裁判にもかけられず、母妹は牢屋送りに、自分はガレー船へ送りの刑に処されたのです。
当時はどちらも生きて戻ってくることの出来無い刑でした。

ベン・ハーはメッサーラへの復讐を胸にガレー船へ乗り込みます。
普通なら1年くらいで死んでしまうような重労働を耐え、3年間以上が過ぎました。
船が変わったベン・ハーは、そこでローマ帝国の将軍アリウス（ジャック・ホーキンス）と出会います。
ベン・ハーの瞳の強さに心を惹かれたアリウスはベン・ハーを自分に従事しないか誘いますが、
彼はそれは自分の運命ではないと断り、ガレー船の漕ぎ手へと戻ります。
楽になれる誘いを断る彼の姿に興味を持ったアリウスは、
決戦の日に漕ぎ手たちを繋ぐ鎖から、ベン・ハーひとりだけ外して席に付かせました。
そして、その出来事とその後に取ったベン・ハーの行動が、彼の運命を再び大きく動かし始めました。

それにしても、たった4年ほどの物語なのにあまりにも激動で壮大でした。
裕福な生活から一転してガレー船の奴隷の生活へ。
そして、今度はローマ人の養子として再び奇蹟のように復活し、怒涛の戦車競技へと向かっていきます。
また、ガレー船に送られることや有名な戦車競技のシーンのことしか知らなかったので、
こんなにもキリストの話だとは思っていませんでした。
実は彼はキリストと出会っています。
ベン・ハーがガレー船へ向かう旅の途中で挫けそうになった時、
兵の反対を押しのけて彼に水を与えた人こそキリストです。
紀元26年からの4年ほどの話になると、当然のように登場するのですね。
そこがちょっと興味深かったです。

キリストに運命を導かれるように展開されていくベン･ハーの物語を
ここまで迫力ある映像で創り上げた当時のスタッフの努力はどれだけだったろうかとしみじみ思いました。
やっぱりスクリーンで観ることが出来て良かったと感じた1本です。



監督：ウィリアム・ワイラー　出演：チャールトン・ヘストン　スティーヴン・ボイド　ハイヤ・ハラリート　ジャック・ホーキンス　ヒュー・グリフィス　マーサ・スコット　キャシー・オドネル
1959年　アメリカ　原題： BEN-HUR
（20100905）

コメント 20

私も　ベン・ハーはものすごく衝撃を受けた作品です　アカデミー賞を11部門もとったことは知りませんでしたが　素晴らしい作品でとても感動した記憶があります　
by エコピーマン (2010-09-12 01:53) 

ご訪問くださりありがとうございました。
by yu-papa (2010-09-12 11:02) 

子供の頃に観ました。内容は忘れていたのですが
キリストが水を与えるシーンは覚えています。
思えばキリストが登場する映画が好きです。
キリスト教徒ではありませんが。。。(^.^)
by モカソフト (2010-09-12 11:30) 

不屈の名作っ!!!　一番好きな映画です (((((o≧▽≦)o
最多１１部門受賞はタイタニックとロードオブザリング３と同位ですが
その中でも１番です♪　・・・オサム的ですが ヾ（´▽｀；）ゝエヘヘ
by おさむ (2010-09-12 17:19) 

大スクリーンで観たら迫力があったでしょうね。私はテレビで観た事があります。
by たいちさん (2010-09-12 18:59) 

中学生のころに観たことはありますが、
戦車競走のシーンくらいしか覚えていません。

今だったら、話の深い意味も分かりそうです。

ジョジョさんの記事を読んで、また観たくなりました＾＾
by nekononeonkan (2010-09-12 22:17) 

エコピーマンさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
内容を知らずに観たので、こんなにハードな人生の物語だったのかとビックリでした。
噂に聞いていた戦車競技のシーンの迫力には圧倒されました☆
by non_0101 (2010-09-12 22:38) 

yu-papaさんへ
こんばんは。こちらこそ、いつもご訪問＆niceをありがとうございます☆
by non_0101 (2010-09-12 22:49) 

きささんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-09-12 22:50) 

aya_ruiさんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-09-12 23:17) 

モカソフトさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
この映画には原作小説があって、その小説の副題に
“A Tale of the Christ”と付いているということを映画を観た後に知りました(^^ゞ
水を与えた後に兵士と対峙するキリストの凛とした姿は印象的でしたね～
こんなにハードな人生を耐えた主人公を観ていると
こういう奇跡もいいなあと思えてしまいました☆
by non_0101 (2010-09-12 23:19) 

おさむさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
不屈の名作ですね～
これまで未見だったので、ようやく観ることが出来てよかったです(^^)
こんなに凄い作品が50年も前に出来ていたことがまた凄いなあと感じました☆
by non_0101 (2010-09-12 23:24) 

たいちさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
特に戦車競技のシーンの迫力は圧倒的でした～
ＣＧを使わずにこの映像を取り上げたスタッフと役者さんの努力は
いかほどだろうかと考えてしまいました。
スクリーンで観ることが出来て良かったです☆
by non_0101 (2010-09-12 23:27) 

nekononeonkanさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
こういう作品は観る年齢で受け取るものが違ってきそうですね。
私は今回初めて観たのですけど、またいつか見直してみたいです(^^)
by non_0101 (2010-09-12 23:30) 

いいですよねえ、午前10時の映画館、もっと大々的に開催してくれたらいいのにい、と思います。
by なぎ猫 (2010-09-18 21:19) 

アイドル箱さんへ
こんばんは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-09-18 23:24) 

なぎ猫さんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
映画を観るのは好きなのに、家で映画を観るのはどうも苦手なので
つい見逃していた作品です。
3時間以上の長さも納得のストーリーでした。
この作品が50年前に作られたというのが凄いです☆
by non_0101 (2010-09-18 23:28) 

ぷりん＆りくさんへ
こんにちは。niceをありがとうございました！
by non_0101 (2010-09-23 06:16) 

こんにちは＾＾
私はＴＶでしか観た事がないので、
大きなスクリーンで観られたなんて羨ましいです。
戦車競技のシーンは迫力だったでしょうね。
あと、すごく大掛かりなセットとか、
沢山のエキストラの人たちとか・・・。
CGでない、本物の迫力を感じることができそうですね＾＾
by てくてく (2010-09-30 18:18) 

てくてくさんへ
こんばんは。nice＆コメントをありがとうございました！
あの迫力ある映像をCGなしで作り上げたことに感動でした～
これまで観たことがなかったので、こういう機会を得られてありがたかったです。
やっぱり名作は名作ですね～☆
by non_0101 (2010-09-30 22:54)